企業概要

所在地:

〒106-6231 東京都港区六本木3-2-1 住友不動産六本木グランドタワー31階

事業内容:

アルバイト求人媒体「バイトル」、人材派遣の求人媒体「はたらこねっと」を中心としたメディア事業、看護師の人材紹介事業等のエージェント事業を行っている。

従業員数:1,683名(2016年4月末現在)

業績推移:

≪Xbusiness ウォッチ≫

同社の聖地巡礼ビジネス参入は。2013年12月に遡る。当時は、経済産業省が国を挙げて日本文化の発信のため官民ファンド「クールジャパン機構」を立ち上げる等の動きがあったが、「日本各地に豊かな地域資源が眠っているが、地域の人が自覚していない、外部の目で再発見されていない」 「海外とのネットワーク構築ができていない」など、コンテンツと地域情報を紐付けて世界発信することが課題となっていた。

そこで同社ではこの課題を「ファン不在の取り組み」により起こるものと考え、最も「コンテンツ」「地域」に精通するファンが世界に向けてコンテンツと地域の良さを発信する、『聖地巡礼マップ』サービスを検討、グーグル社の「ストリートビュー」を使い、登録された「聖地」がリアルなイメージで見ることができるなど、擬似的に「聖地」が訪問できるサービスをスタートさせた。

xbusiness ポイント

同社の主要求人媒体「バイトル」は、常に旬な芸能人を登用し、注目を集めてきた。AKB48、昨今では、PPAPで一世を風靡したピコ太郎をキャラクターに登用している。

一見、バイト探しや、人材派遣と「聖地巡礼」は、何ら関連の無いものに見えるが、これは秀逸なメディア戦略である。 まず、昨今のアルバイトの主たる成り手となる20代以下の若者は、雑誌を読まない、更にはTVも見ない。見るのはONLYスマホである。

また、若者の多くが、自分の趣味として漫画、アニメを常時楽しんでいる。
漫画・アニメの舞台となっている「聖地巡礼」の巡礼地は、全国に分散しており、自分の地元の巡礼地自慢をしたい若者が全国に存在している。好きな「巡礼地」を投票してもらう、ということは、自ずと、全国隅々の潜在的なアルバイト求職者を同社のサイトに集約させる、ということにも繋がる。

これは、半端なローカルCMを打つよりも、スマホ片手に歩き回っている方達の心に刺さる戦略であり、また、経産省のお仕着せの「巡礼地」ではなく、自らが作り上げた「巡礼地」であり、SNS時代においては、より信頼でき聖地巡礼情報となっている。

同社では2000箇所の聖地の登録を目指しているが、これは、ビジネス的には、2000地域のアルバイト候補者が、同社ブランド「DiP」を強く認知させる、ということとなる。

「聖地巡礼」は、ユーキャンが主催する流行語大賞2016で、ベスト10入りする程のインパクトを得、その中で、「聖地巡礼」用語の普及に寄与した企業として、同社はユーキャンから表彰を受けている。
結果、ディップは、求人媒体を生業とする企業でありながら、「聖地巡礼」サポーター企業として、日本でトップの位置付けに躍り出ている。
まさに、エックスビジネス!