言うまでもないが、入社試験や面接というのは、志望者がそれまで培ってきた能力や人となりと、企業側とのマッチングの場である。しかも、これ以上なく真剣に人生を賭けた場である。そのような場に、お金を賭ければギャンブルである、賭けなくとも遊戯には変わらない、そんな麻雀を使って人材採用をするというのだ。もちろん麻雀自体に罪はないのだが、

ムチャクチャである。

だが、その麻雀を使った人材採用を行っている企業があるという。新しい就活スタイルを提案という面では斬新であるが、それにしても麻雀。何かある。Xビジネス魂がうずうずするこの企業に今回迫ってみることにした。

 

1.得意なことで勝負する「麻雀採用」
2.その企業、カケハシ スカイソリューションズ
3.麻雀採用、「ザ・ビジョナリー」に出てます

1.得意なことで勝負する「麻雀採用」

企業への応募者が、入社試験にあたってもし自分の得意なことで合否を決定できたら-。面接の方法を好きに選べたら-。そんな思いに駆られることもあって当然である。だが、「応募者の得意なことで合否を判定できたら」の思いは、採用側にも共通であったらしい。この「麻雀採用」は、得意なことで勝負するという、新しい就活スタイルを提案する、とある企業の企画のひとつとしてスタートしたものである。

麻雀採用は、決して運任せのパイのめくり合いゲームの勝敗で採用を決めるというものではなく、あくまで「面接」として、論理的思考力や勝負勘をもつ学生との出会いを期待した採用イベントとして企画されている。これまでに延べ700名以上の学生が全国から参加しており、多くの内定者を生み出してきたのである。このイベントプログラムは、麻雀大会と懇親会の二部構成となっている。麻雀大会では腕に自信のある40名から60名の学生と、企業の会議室ではなく実際の雀荘を会場として麻雀を打ち、そのあとの懇親会では、企業の担当者が意中の学生とじっくりコミュニケーションをとるという、「採用面接」の場なのである。

確かに、通常の採用面接のあの雰囲気(できればそう何度も経験したいものではない。。)のなかで、緊張しながら一問一答していくよりも、麻雀の場で、論理的思考や場の流れや心理を読む能力を見ることは、ある意味理にかなっている。何より「雀品」と呼ばれる麻雀上の品格やマナー、遊戯中の会話や振る舞いは、その人の人となりがはっきり出るものだ。企業の採用担当者が「麻雀採用」を採用するのも、得心がいくというものである。

画像は「カケハシ スカイソリューションズ」Webサイトより引用

 

実はこの「麻雀採用」は、いち企業の自社採用方法ではなく、登録商標されたサービス名称、つまり「商品」なのである。

2.その企業、カケハシ スカイソリューションズ

この「麻雀採用」を商品として世に出しているのは、株式会社カケハシ スカイソリューションズである。事業内容はズバリ人材採用、そして社員研修のが主要2軸である。「麻雀採用」をサービスのひとつとして含んでいる、「得意なことで勝負する。新しい就活スタイルを提案する」という「ミートボウル」と、就活生と企業の気持ちを映像で伝え合う「就キャス」を、人材採用の「商品」として他企業に提供している。このサービスにより、年間数百というクライアントの採用計画・育成計画をサポートしているとのことである。
また、CI・広告制作のほか地域活性化として、離島の地域活性化に貢献する「島キャン | 島おこしインターンシップ」奄美群島のグルメ・観光情報サイト「島キャン宣伝部」奄美大島からの進学を支援する大学受験専門予備校「島キャン予備校」などユニークな事業も展開している。

画像は「カケハシ スカイソリューションズ」Webサイトより引用

3.麻雀採用、「ザ・ビジョナリー」に出てます

この斬新な人材採用サービス「麻雀採用」について、毎度お馴染みのテレビ番組「ザ・ビジョナリー ~異才の花押~」で紹介している。放送日は7月31日火曜日、東京MXTVで19:58~20:27の時間帯である。番組放送後にWeb上での視聴も順次可能となる。番組中の「Xビジネスコーナー」で、Xビジネス的な視点から考察・紹介しているので、ぜひ本稿と合わせて視聴してもらいたい。

(依藤 慎司)

ザ・ビジョナリー~異才の花押~
http://the-visionary-project.com/ 


関連サイト:
2018 人事・総務関連業務のアウトソーシングビジネス調査レポート
https://www.yano.co.jp/market_reports/C59123200

2018 企業向け研修サービス市場の実態と展望
https://www.yano.co.jp/market_reports/C60105100