プラモデル市場の定義

映画やアニメ、漫画などの作品に登場するロボットやキャラクター、車や飛行機、城や神社仏閣など実在する(実在していた)乗り物や建造物等を象った、プラスチック製の組み立てモデルを指す。尚、動力機能を備えたラジオコントロールカーやミニ四駆等は除外している。また、本項ではプラモデルを以下の2種類に分けて市場規模を算出している。

キャラクターモデル:

プラモデルのうち、架空のロボット、メカニック、キャラクター等を象ったもの。
㈱バンダイの「ガンプラ」等がその代表格。

スケールモデル:

プラモデルのうち、実在する(もしくは実在した)車両・飛行機・船・建造物等を象ったもの。㈱タミヤの「ミリタリーミニチュアシリーズ」等がその代表格。
 

プラモデル市場の客層

2016年9月に矢野経済研究所が実施した消費者アンケートより、「プラモデルオタク」を自認する消費者は日本国内に約115万人存在すると推計され、前年調査結果とほぼ同数という結果となった。
年代別の集計結果では、15~19歳:12.2%、20代:21.7%、30代:20.9%、40代:22.6%、50代:12.2%、60代:10.4%となり、20代が前年調査結果から8.6ポイント拡大し全体の3割を超えた。20~30代では48.5%を占め、平均は37.9歳となった。
男女比は、男性:女性=90.2%:9.8%となり、前回調査から男性が5.9ポイント拡大しさらに男性への偏りが強い構成となった。
また、今年度より新たに調査項目として加えたオタク歴については、「10年未満」40.9%、「10~20年未満」20.5%、「20~30年未満」11.4%、「30年以上」27.3%と、初心者とベテランに2極分化するかたちとなり、平均は16.8年であった。
 
 
全体的に若年ユーザーの新規参入が少ない市場だが、近年はキャラクタープラモデルや、組み立ての簡単な商材の投入により、若年層をはじめとした新規ユーザーを積極的に取り込む施策が図られている。
 

プラモデル市場の客単価

消費者アンケートより、「プラモデルオタク」を自認する層がプラモデルにかける金額は平均で年間19,928円という結果になった。前年調査結果からは5,147円減少し、前々回調査とほぼ同金額に戻るかたちとなった。また、金額別構成は、「1万~5万円未満」が最も多く、次いで「0円」が23.5%であった。
 
 

プラモデル市場の構造

2016年10月現在、プラモデル市場に参入している事業者はおよそ20~30社程度と推定される(個人事業者、海外事業者含まず)。
キャラクターモデルとスケールモデルの構成比は、おおよそ6割強:4割弱に大別される。主な参入事業社として、キャラクターモデルは日本最大のヒットコンテンツである「ガンダム」を展開する㈱バンダイ、自社オリジナルロボットコンテンツ「フレームアームズ」を展開する㈱壽屋、スケールモデルは、グローバルに展開する㈱タミヤ、車関連を得意とする㈱青島文化教材社、飛行機関連を得意とする㈱ハセガワなどが挙げられる。近年は、「ガンダム」「宇宙戦艦ヤマト」「妖怪ウォッチ」などの人気を背景にキャラクターモデルの構成比が拡大傾向にある。
また、ここ数年は、精度が高くパーツ数も多い上級者向けの高価格商品と、パーツ数が少なく簡単に組み立てられる初心者向けのリーズナブルな価格の商品に二極化している。初心者や若年層(子供を含む)の取り込みに注力する事業者が増えていることから、後者に該当する商品が増えていると見られる。
 

プラモデル市場のトレンド、トピックス

●キャラクターモデルは、発売35周年を迎えたガンプラがリード

プラモデル市場は、6割以上を占めるキャラクターモデルの中でも「機動戦士ガンダム」のプラモデル「ガンプラ」シリーズが圧倒的なシェアを誇っている。「ガンプラ」は、1980年に発売されてから2015年で35周年を迎えたが、継続的に投入される新シリーズや劇場公開など映像作品の人気によって、若年層のファンを新規に取り込むかたちで人気が拡大している。
2015年度においても10月から2016年3月まで新作テレビアニメ「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」が放送され、2016年10月からは第2期放送がスタートしている。これに連動し、メインとなる1/144スケールで同作のガンプラをHGブランドとして順次リリースした。特に今回の作品では、タイムリーな反応を活かした需要を喚起すべく、地上波のアニメ放送でガンダムの機体が登場するタイミングとほぼ同時にガンプラを販売した。
また、35周年を記念したアニバーサリー企画も2014年12月より順次実施しており、ガンプラ製作を促すような企画により、需要の喚起を図っている。

●スケールモデルはコンテンツ不足により停滞気味であるが、業界横断的な取り組みが新たに始動

車や飛行機、艦隊、ミリタリーなどを扱うスケールモデルは、アニメやゲーム、ドラマ、映画などのコンテンツの人気によって需要が喚起され、新商品化や従来品のリメイクなどにつながるケースが多い。ここ数年は、「艦隊これくしょん」や「ガールズ&パンツァー」などの人気コンテンツに関連するモデルがキット化され、成長を支えていたが、これらのコンテンツ人気は継続しているものの、徐々に落ち着きを見せており、代わりとなる人気コンテンツが表れてない状況となっている。
メーカー側も、人気のアニメやゲームに登場するキャラクターと組み合わせ、フィギュアや雑貨などとのパッケージ販売やゲームやアニメ業界とのコラボレーションを行い、新たなファン層を開拓することによって、高齢化が進むスケールモデルファンの若返りを図っている。
また、業界横断的な取り組みとしては、2016年4~9月にテレビ放送された「マクロスΔ(デルタ)」の制作に合わせ、2015年よりマクロスシリーズのプラモデルの新ブランドとして「マクロスモデラーズ」を発足している。「マクロスモデラーズ」には、“共闘再び”をキャッチコピーに、マクロスシリーズのプラモデルを統括したブランドとしてプラモデル業界に風穴を空けるべく、㈱青島文化教材社、㈱ウェーブ、㈱トミーテック、㈱ハセガワ、㈱バンダイ、㈱マックスファクトリーの6社が参画している。併せて、マクロスのプラモデルファンに向けた専門情報サイトをオープンし、マクロスシリーズの最新キットニュースをはじめ、「マクロスΔ(デルタ)」に関するプラモデル開発情報や開発者インタビュー、キットレビューなど様々なマクロス関連情報を発信している。
 

プラモデル市場規模

2015年度におけるプラモデル市場の市場規模は、前期比101.9%の266億円になると推計される。
キャラクターモデルは、2015年10月から放送された「機動戦士ガンダム」の新シリーズ「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」に連動した新製品の投入と、誕生35周年を記念した様々な周年企画を打ち出していることにより、「ガンプラ」の販売が好調に推移した。
一方、スケールモデルは、ここ数年市場を牽引してきた「艦隊これくしょん(艦これ)」や「ガールズ&パンツァー」などの人気継続により、関連するキットの販売は堅調であるが、一時の勢いは落ち着きを見せており、全体的には停滞気味となっている。
2016年度においても2015年度と同様の状況が続くものと推察され、前年度比100.4%の267億円と予測する。
 
 

本稿の詳細データについては、下記調査レポートよりご入手いただけます。