高校野球ー甲子園にもXビジネスのヒントがある

第99回全国高等学校野球選手権大会を目前に控え、地方予選でしのぎを削ってきた高校球児たちの雌雄が決し始めている。

本稿執筆時点では全都道府県の甲子園出場校は決まっていないが、いずれの学校が出場するにせよ、夏の風物詩として視聴者である我々を熱気に包んでくれることは間違いないだろう。

Xビジネス調査チームでは、アマチュアスポーツであるにも関わらず、とてつもない熱量で地域全体を巻き込む高校野球について、Xビジネスの重点テーマの一つである地方創生のヒントがあるのではないかと考え、インターネット上の盛り上がりの数値化を行い、都道府県別ランキングを作成した。

また新しい試みとして、スポーツを専門にウォッチしているニューメディア「eラーニングベースボール」との記事コラボレーションも進行しているので、こちらも併せてご一読いただければ幸いである。

データで楽しむ野球トレンド(第99回高校野球選手権大会 地方予選編)

それでは早速、ランキングを見ていこう。

 

都道府県別高校野球バブルチャート

以下は「高校野球」と「各都道府県名」をキーワードとして、そのTTV(Total Traffic Volume=検索数、クチコミ数などキーワードのオンライン流通量)を数値化、2次元の分析軸上にプロットしたバブルチャートである。

集計期間は2017年5月21日〜7月20日の2ヶ月間であるため、春の選抜大会の余韻も抜け、今夏の選手権大会に関するデータであると見て問題ないだろう。
チャート1が全都道府県、チャート2は数値が極端に高い「長野」「岩手」「宮城」「兵庫」の4県を縮尺外として中央部分の視認性を高めたものであり、どちらも同じ集計データから作成している。

分析軸の説明は本稿最下段に用意してあるので、論拠を確認しないと読む気にならないというストイックな読者はこちらからご確認いただきたい。

 

チャート1

 

チャート2

一見複雑なバブルチャートだが、活用方法はシンプルで、調査対象の定量結果について他の調査結果に対するポジショニングを視覚的に把握するものである。見るべき対象と比較対象を具体的にイメージしておけば、より理解しやすくなるだろう。

本稿であれば、縦軸がATR(Action Through Rate=検索からシェアが発生した割合)、横軸がOCI(Organic Collective Index=メディア露出に対するユーザー反響の倍率)となっているため、バブルの大きさで定量結果を把握し、その定性面をこの2軸で評価すれば良い。

つまり、どれだけネット上に「都道府県✕高校野球」というワードが流通しているのかをバブルで直感的に把握し、ついで個々の流通の定性面について、検索した後にシェアに移行したユーザーの割合を縦軸=ATRで、ユーザーの主体性を横軸=OCIで把握する、という流れとなる。

受託系分析プロジェクトの場合、評価ポイントをどこに置くかはクライアント事情を踏まえ任意設定することが多いが、今回は自主企画調査であるため、全ての基準値を平均値とし、それ以上であるか以下であるかによりゾーン分析を行った。

 

 

個々の分析については甲子園大会の結果などを踏まえ、改めてレポートを作成するが(本稿はシリーズ化を予定している)、この時点において、Aゾーンの愛知は野球ファンがオンライン上で活発に動いており、Dゾーンの東京、新潟、広島はメディア主導の傾向があると見て取れる。

集計元である都道府県の個別データが以下の表であるため、興味がある読者は、自分に関係する都道府県と他の地域などを比較してみていただきたい。

 

調査内容:「都道府県 ✕ 高校野球」のTTV(メディア露出数、検索数、クチコミ数)
調査期間:2017年5月21日〜2017年7月20日(2ヶ月)
流通量合計:25,632,213(回)
調査協力:株式会社Web経済研究所

 

Web Response Index(ウェブ反響指標)について

利用者が主体となるソーシャルメディアの普及やスマートフォン・タブレットなどデバイスの多様化により、インターネット上には膨大な量の嗜好データが流通し、日々増え続けてている。

それらの興味・関心情報は、集団的知性=Collective Intelligenceと呼ばれ、間違いなく世の中に影響を与えているものの、抽出方法と判断基準が体系化されていないため、リアルビジネスでは全くと言っていいほど利活用されていない。

市場調査会社である矢野経済研究所のノウハウにWebマーケティングのテクノロジーを加味して開発したWeb Response Index(=WRI、ウェブ反響指標)は、独自の手法によりオンラインビッグデータを解析し、ユーザートレンドを抽出する分析ツールとして、各種データ提供、プロモーション効果測定、市場調査などにより、マーケティング課題の解決に活用されている。

 

 

ATR(Action Through Rate)については、ネットでの購買行動のプロセスモデルであるAISASを踏まえ、Search=検索からShare=クチコミに移行した数値を算出している。

AISASの詳細な説明については、下記リンクなどからご確認いただきたい。

 

AIDMA(Wikipediaへリンク)

 

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