台風と長雨で湿った雰囲気の8月の日本全国を大いに盛り上げた第99回高校野球選手権大会は、埼玉県の花咲徳栄高校が埼玉県勢初となる「夏の甲子園優勝」を達成し、幕を閉じた。

Xビジネス調査チームでは、過去3回に渡ってその動向を追いかけてきたが、これらの記事を読まれた読者の方々は、主役のめまぐるしい交代劇に気づかれたのではないだろうか。

「高校野球 地方予選」都道府県別ランキング
「高校野球」甲子園出場校ランキング
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今回は第99回高校野球選手権大会に関する記事シリーズの総括として、優勝した花咲徳栄高校にフォーカスし、TTV(オンライン流通量)を軸に大会中の盛り上がりを整理してみたい。

 

花咲徳栄高校のTTV推移

花咲徳栄高校の注目度は「夏の甲子園優勝」によって急激に高まっている。6月1日〜8月27日の3ヶ月間でみると、8月のスコアは7月比で15倍、6月比では100倍近くスケールアップしている。


日別TTVを見てみると、優勝を決めた8月23日に全体の50%におよぶ160万弱のTTVが記録されている。このようにグラフでみると、いかに花咲徳栄高校の優勝が劇的であったかを直感的に把握できるのではないだろうか。

また、Search=検索からShare=クチコミに移行した数値を示すATRは、最大で452%超となっていることから、決勝に近づくに従って視聴者の興味が急激に高まり、積極的にクチコミをしていることが伺える。

 

花咲徳栄高校とシリーズトップスコアとの比較

地方予選編

地方予選編のTTVトップは長野県で、スコアは2,203,619であった。花咲徳栄高校が勝ち抜いた埼玉県は1,075,454で全都道府県中6位となっている。

 

甲子園出場校編

甲子園出場校編のTTVトップは横浜高校で、スコアは1,155,264であった。花咲徳栄高校は200,397で全出場校中6位となっている。

 

注目選手編

注目選手編のTTVトップは広陵高校の中村奨成選手で、スコアは101,604であった。花咲徳栄高校からは西川愛也選手が1,517で5位にランクインしている。

 

劇的だが番狂わせではなかった花咲徳栄高校の優勝

時系列で見てみると、いずれのスコアでも上位に出現する花咲徳栄高校の本大会における優勝は、十分予想可能なだったように思えるが、実際の大会中、同校がクローズアップされることはほとんどなかったと言っていい。地方予選は早実・清宮幸太郎選手の高校生記録が、同選手敗退後に甲子園大会が進むとホームランラッシュから大会新記録の中村奨成選手へとマスメディア上の話題は移り変わっていった。

上述のATRが急激に増えたことは、一元的には多くの興味関心が集まったと見ることができるが、重要なのはその後の持続性であろう。なぜならば、少子高齢化が進む日本において高校野球を通じたブランディングは、各高校が生き残る一つの選択肢になり得るからである。

今大会、劇的な優勝を成し遂げた花咲徳栄高校が、その実績を活かしてどのように存在感を高めていくのか。
地域、学校、メディアを巻き込んだ、いうなればスクールマーケティング戦略が問われる場面であると提言を残し、記事の結びとしたい。

本シリーズは、スポーツを専門にウォッチしているニューメディア「eラーニングベースボール」との記事コラボレーションとして稿を進めてきた。
「eラーニングベースボール」では、Xビジネスに比べより一般的な視点でのリサーチ記事を掲載しているため、こちらも併せてご一読いただきたい。

データで楽しむ野球トレンド(第99回高校野球選手権大会 地方予選編)
データで楽しむ野球トレンド(第99回高校野球選手権大会 甲子園出場校編)
データで楽しむ野球トレンド(第99回高校野球選手権大会 甲子園注目選手編)

 

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