模型・ホビー市場の定義

プラモデル(スケールモデル・キャラクターモデル)、ホビーラジコン、鉄道模型(Nゲージほか)、その他ホビー(トイガン、ダイキャストミニカー等)とする。但し、ジグゾーパズル、トイラジコン、フィギュア等は含めない。


模型・ホビー市場の動向

当市場は、プラモデル、ホビーラジコン(本書では、目安として単価1万円以上のラジコンを「ホビーラジコン」、1万円以下のラジコンを「トイラジコン」としている)、鉄道模型、トイガン、ダイキャストミニカーなど、多様な商材から構成されている。
主要事業者は、「ガンプラ(機動戦士ガンダム)」を中心としたキャラクターモデルを数多く展開する㈱バンダイ、スケールモデルやホビーラジコン、ミニ四駆などを幅広く展開する㈱タミヤ、トイガンを展開する㈱東京マルイ、鉄道模型を展開する㈱トミーテック・㈱関水金属、ホビーラジコンやダイキャストミニカーなどを展開する京商㈱、「フレームアームズ」などのオリジナルのキャラクターモデルなどを展開する㈱壽屋、「デコトラシリーズ」「実車シリーズ」などのスケールモデルを代表商品とした㈱青島文化教材社、飛行機のスケールモデル「エアクラフトモデル」を中心に展開する㈱ハセガワなどが挙げられる。

プラモデル市場は、キャラクターモデルとスケールモデルに大別され、構成比はおおよそ6割強:4割弱である。キャラクターモデルは、「機動戦士ガンダム」のプラモデル「ガンプラ」シリーズが圧倒的なシェアを誇っている。「ガンプラ」は、1980年に発売されてから2015年で35周年を迎えたが、継続的に投入される新シリーズや劇場公開など映像作品の人気によって、若年層のファンを新規に取り込むかたちで人気が拡大している。
2015年度においても、10月から2016年3月まで新作テレビアニメ「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」が放送され、2016年10月からは第2期放送がスタートしている。これに連動し、メインとなる1/144スケールで同作のガンプラをHGブランドとして順次リリースした。特に今回の作品では、タイムリーな反応を活かした需要を喚起すべく、地上波のアニメ放送でガンダムの機体が登場するタイミングとほぼ同時にガンプラを販売した。
また、35周年を記念したアニバーサリー企画も2014年12月より順次実施しており、ガンプラ製作を促すような企画により、需要の喚起を図っている。
さらに2015年度は、インバウンド需要も旺盛で、ガンプラのパーフェクトグレード(1/60スケール)などの動きが目立った。
一方、車や飛行機、艦隊、ミリタリーなどを扱うスケールモデルは、アニメやゲーム、ドラマ、映画などのコンテンツの人気によって需要が喚起され、新商品化や従来品のリメイクなどにつながるケースが多い。ここ数年は、「艦隊これくしょん」や「ガールズ&パンツァー」などの人気コンテンツに関連するモデルがキット化され、成長を支えていたが、これらのコンテンツ人気は継続しているものの、徐々に落ち着きを見せており、代わりとなる人気コンテンツが現れていない状況となっている。
メーカー側も、人気のアニメやゲームに登場するキャラクターと組み合わせ、フィギュアや雑貨などとのパッケージ販売やゲームやアニメ業界とのコラボレーションを行い、新たなファン層を開拓することによって、高齢化が進むスケールモデルファンの若返りを図っている。
また、業界横断的な取り組みとしては、2016年4~9月にテレビ放送された「マクロスΔ(デルタ)」の制作に合わせ、2015年よりマクロスシリーズのプラモデルの新ブランドとして「マクロスモデラーズ」を発足している。「マクロスモデラーズ」には、“共闘再び”をキャッチコピーに、マクロスシリーズのプラモデルを統括したブランドとしてプラモデル業界に風穴を空けるべく、㈱青島文化教材社、㈱ウェーブ、㈱トミーテック、㈱ハセガワ、㈱バンダイ、㈱マックスファクトリーの6社が参画している。併せて、マクロスのプラモデルファンに向けた専門情報サイトをオープンし、マクロスシリーズの最新キットニュースをはじめ、「マクロスΔ(デルタ)」に関するプラモデル開発情報や開発者インタビュー、キットレビューなど様々なマクロス関連情報を発信している。

タミヤが開発・販売するミニ四駆は、2012年に発売30周年を記念し、13年ぶりにジャパンカップを復活開催して以降、ブームが定着化している。現在は従来のミニ四駆ファンだけでなく、80年~90年代にミニ四駆を楽しんだ20~30代や小中学生、親子層を中心に人気が再燃、日本だけでなくアジアを中心に海外でも人気が高まっている。年に1度開催しているジャパンカップへの参加人数も伸びており、2015年度は約33,000人が参加、2016年度には2012年からの累計参加者数が10万人を突破した。
また、ミニ四駆と並ぶレーシングホビーカテゴリーの新アイテムとして、2016年1月より㈱バンダイが「ゲキドライブ」の取扱いを開始している。

ホビーラジコン市場は、一時の厳しい状況からは脱し、緩やかではあるが回復基調にある。2015年度は、ドローンの話題性が高まったことにより、ドローンやマルチコプターに興味を持つ人々が増え人気商材となった。メーカーサイドも長距離飛行が可能なモデルや超音波センサーで室内飛行が可能なモデルなどハイエンドな商品を続々と投入したが、ドローンに関連する事件の発生や法規制などが影響し、GWごろをピークに売れ行きは鈍化している。
初心者やライトユーザー向けには、タミヤのカーモデル「オフロードカー」の販売が好調に推移した。同社が主催し、小学3年生~高校生の男子と女性全般を対象としたRCカー組み立て教室「トライ!!タミヤRCスクール」を通じ、初心者ユーザーや親子での参加者数が伸びた。また、組み立て済みで塗装も施されている完成品RC「XB(エキスパートビルド)」シリーズも初心者ユーザーや組み立てる時間がないユーザーのニーズを取り込み堅調に推移した。
コアユーザー向けには、京商が2014年より「ビンテージシリーズ」としてリバイバル商品である電動ラジオコントロールカーの販売を開始している。2015年には「ビートル2014」「トマホーク」「OPTIMA」を投入、2016年には「ターボスコーピオン」を投入するなど、かつてのファンを再び呼び込むだけでなく、実車の存在を知らないユーザーの取り込みも図っている。

鉄道模型市場は、Nゲージが国内で流通している鉄道模型の7割以上を占めている。「KATO」ブランドを展開する㈱関水金属と「TOMIX」ブランドを展開する㈱トミーテックが2大メーカーで、この2社で約75%を占めている。2015年度は、寝台特急「トワイライトエクスプレス」「北斗星」の運行終了や、「北陸新幹線」「北海道新幹線」の開通などといった話題性に連動した新製品の販売が好調に推移したほか、各社が定番製品のリニューアル、車両や下回り品、ストラクチャーなどの在庫品を充実させていることにより、新規ユーザーからコアなユーザーまで幅広い層の需要を取り込み市場成長につながった。
また、業界3番手であるマイクロエースの製品が、生産性回復によって出荷状況が正常に戻ったこともプラス成長に寄与した。
2016年度においては、2015年度よりも話題性は落ち着くと見られているが、各社で新製品だけでなく、定番製品のリニューアルや在庫品の充実が図られており、安定して推移するものと見込まれる。

トイガン市場は、現在参入メーカーが10社ほどと推定されるが、㈱東京マルイが圧倒的なシェアを誇り、エアガン市場全体のおよそ85%のシェアを占めているとみられる。2015年度は、サバイバルゲームブームの影響により、国内市場は堅調に推移した。2016年も人気が継続しており、堅調に推移することが見込まれる。

 

模型・ホビー市場の販売チャネル動向

模型・ホビー専門店:

プラモデルやラジコン、あるいは鉄道模型等を専門的に取扱うホビーショップが最も流通シェアを占めているとみられ、流通チャネル比率は4割程度と推定される。しかし、後継者のいない小規模事業者の閉店が増加していることに加え、特にライトユーザーが品揃えの多い家電量販店や玩具専門チェーンで購入するケースが増えている。また、ホビーショップの中心顧客であるコアユーザーや常連客においても、カスタムパーツや消耗品等来店して購入する必要のない商品はeコマースを利用するようになっていることから、流通チャネルに占める構成比は横ばいか縮小傾向にあると推察される。
ホビー全般を扱う有力事業者は、イエローサブマリン、タム・タム等で、鉄道模型ではModels IMON、ポポンデッタ、天賞堂等がそれぞれ挙げられるが、1事業者あたりの売上は小さく、小規模事業者が数多く存在していると考えられる。

 

eコマース:

有力事業者は、㈱ホビーサーチ(サイト名「ホビーサーチ」)や、㈲プラッツ(同「ホビーコレクティブ」)といった専門店が運営するサイト、アマゾン・ジャパンや楽天といったeコマース大手の2種類に大別される。特に前者は、無店舗で運営できることもあり、趣味と実益を兼ねた個人運営事業者も少なくないと推察される。また、ホビーショップや家電量販店等、店舗を持ちながらeコマースも行う事業者も増加している。
また、地方は上記のようなホビーショップが少ないこともあり、地方在住ユーザーはネット経由での購入が多いとみられ、流通チャネル構成比は3割強程度のボリュームを有している。
従来、当該市場のメインユーザーである中高年のeコマース利用は多くないと考えられていたが、アマゾン、楽天などの利用が中高年でも高まっていることから、当該販売チャネルは増加しているとみられる。

 

家電量販店:

近年、ファミリー向けの重点商材として玩具の取扱いが定着しており、立地によっては模型・ホビー商材で1フロアを設ける店舗も存在する。新宿に「ゲーム・ホビー館」を持つヨドバシカメラ、「スーパーキッズランド」を展開するジョーシンが有力とみられ、ビックカメラ、エディオン等の大型チェーン店でも取扱いがある。流通チャネル構成比は1割強程度と推定される。

玩具専門チェーン店:
トイザらスなどの玩具専門チェーン店でもホビー関連商品が取扱われるが、取扱商品全体の中に占める割合は極めて小さいと考えられ、流通チャネル構成比は1割に満たないと推定される。

 

GMS:

GMS内の玩具売場内等で模型やホビー関連用品を扱うケースが見られるものの、GMSのメイン客層はファミリー層であることから、流通チャネル構成比は数%程度と推定される。

 

その他:

上記以外では、百貨店、ホビー関連イベント等が挙げられるが、それぞれが市場全体に占める比率は極めて小さいと考えられる。

 

 

本稿の詳細データについては、下記調査レポートよりご入手いただけます。
2017年版 玩具産業白書