トレーディングカードゲーム市場の定義

一定の競技ルールの元、対戦を楽しむカードゲームに用いるカードを市場規模とする。

ゲーム要素を持たないコレクションカードや、トランプやかるた等古典的カードゲーム、アミューズメント施設等に設置されたゲーム機や、市販の専用ゲーム機を使ってプレイするものは除外する。

また、中古カード取扱店やネットオークション等による二次流通も除外している。


トレーディングカードゲーム市場の動向

トレーディングカードゲーム(以下「TCG」)は、1990年代後半の「遊戯王」「ポケモンカードゲーム」が牽引して爆発的なブームとなって以降、幼児~中高生の定番の遊びとしてだけでなく、一部のカードゲームにおいては大人のホビー商品として消費者に定着した。

当該市場は、「遊戯王」(コナミデジタルエンタテインメント)、「デュエル・マスターズ」(タカラトミー)、「ポケモンカードゲーム」の従来からの3強商品に加えて、「カードファイト!!ヴァンガード」(ブシロード)の売上が急拡大した2011年度がTCG市場の「ブーム」期となった。2012年度はブームの沈静化とスマートフォンゲームの普及などが影響して大きく減少し、以降2013年~2014年度は大きな変動は見られなかったが、2015年度からは再び拡大傾向となっている。

市場回復要因としては、「遊戯王」などのユーザーが一巡して子供のころに遊んだ最初の世代が開発側にまわり、かつての人気キャラクターを掘り起こすなど昔のファンを呼び起こすための施策が実施されたことによって再び話題性が高まったことが挙げられる。
加えて、世界初のTCGである「マジック:ザ・ギャザリング」(ウィザーズ・オブ・ザ・コート)など、大人を対象としたTCGの普及が進み、2015年10月には、ソーシャルアプリ開発会社「サイゲームス」がマジック:ザ・ギャザリングのプロチームを立ち上げるといった動きもあった。さらに、アニメが人気となった「ウィクロス」(タカラトミー)の貢献も見られている。

2015年度は、上述した要因に加え、シェアトップ2の「遊戯王」「デュエル・マスターズ」が好調に推移した。これらを展開する「コナミデジタルエンタテインメント」「タカラトミー」に次ぐ業界3位の「ブシロード」は、上記2商品の人気拡大により「カードファイト!! ヴァンガード」「フューチャーカード バディファイト」といったオリジナル商品は相対的に苦戦を強いられたものの、「ヴァイスシュヴァルツ」においては、様々なアニメ作品のコンテンツを集めて一つのカードゲームで再現しているため全体的な浮沈が起きにくく、他社で好調なオリジナルTCGの影響を受けず売上を伸ばした。

2016年度も引き続き上位2ブランドの好調が継続することに加え、大人向けTCGの伸長、さらにブシロードからオリジナルテレビアニメとTCGが連動したプロジェクト「ラクエンロジック」の発売など新しい動きも見られており、2年連続の市場成長を見込む。

 

トレーディングカードゲーム市場の販売チャネル動向

トレーディングカード専門店:

TCG専門店は、ショップごとに年間を通じて様々なTCGの公式大会が行われており、各メーカーとも情報発信チャネル・販売チャネルとして重視する主要チャネルである。中古品の取り扱いを中心とする店舗もあるが、新品を含めて主要な流通チャネルとなっている。特に、ブシロードはユーザーの遊び場となっているTCG専門店を購入場所としても重視しており、同チャネルが圧倒的なシェアを誇る。
有力店としては、全国40店舗を展開する「ホビーステーション」、全国33店舗を展開する「カードラボ」、全国25店舗を展開する「カードキングダム」、全国11店舗でチェーン展開を行う「フルコンプ」などが挙げられるが、その他にも小規模のショップが無数に存在している。
2015年度のチャネル構成比は3割程度と推定される。大幅な店舗数の増加は見られないが、市場規模拡大に伴い構成比も伸びている。

 

GMS:

ファミリー層が多く訪れるGMSはTCGの主要販売チャネルのひとつであり、玩具専門チェーン店と同様、男児向け商品を中心とした品揃えとなっている。近年は、メーカーがショッピングモールの祭事スペース等で大会やイベントを開催することも多く、店舗の売り上げにも少なからず追い風になっている。
流通チャネル比率は20%弱と推定され、イオングループや、イトーヨーカ堂等が有力な販路となっている。

 

玩具専門チェーン店:

構築済みデッキやスターターパック等を中心に幅広くラインナップした店舗が多く、ビギナーや男児を主な対象としている。主要商品の品揃えも豊富なことから、トイザらス等玩具専門チェーン店の流通チャネル比率は15%程度と推定され、主要チャネルの1つとして数えられる。

 

家電量販店:

保護者が子供のために買い与える場合もあれば、大人が自身で楽しむために購入することもあり、男児向けから成人向けまで幅広い商材を取り扱っている。ただ、家電量販店でイベント等が開催されることはほとんどなく、シェアとしては年々縮小しており、流通チャネル比率は10%強と推定される。ビックカメラ、ヨドバシカメラ、ヤマダ電機、上新電機等が有力な販路となっている。

 

eコマース:

中古専門の事業者が無数に存在するが、新品を取り扱う事業者も少なくない。
男児向けから成人向けまで、あるいは構築済みデッキからブースターパックまで、陳列スペースを必要としない無店舗販売のメリットを活かし、充実したラインナップとなっている。アマゾン・ジャパンや楽天といったeコマース大手が有力事業者として挙げられ、流通チャネル比率は底堅く10%弱で推移しているものと推定される。


ホビーショップ:

「コミックとらのあな」、「アニメイト」、「ゲーマーズ」等、アニメ関連商品を取り扱う店舗は、アニメやゲームのキャラクターをモチーフとし、成人をメインターゲットとした商材を一定量取り扱っている。また、全国約30店舗を展開するホビーショップ「イエローサブマリン」等、メーカーオフィシャルショップとして各社TCGのイベントを開催している店舗も多い。コンビニエンスストア等の流通量が減った分、相対的にホビーショップでの流通が増えているものとして、流通チャネル比率を6%程度と推定した。

 

コンビニエンスストア:

主力流通チャネルのひとつであり、男児向け商品のブースターパックを中心に取り扱う店舗が多い。子供が自身の小遣いで購入することや、成人が他の商品を購入したついでに、子供もしくは自身のために購入することが多い。
TCG人口の減少に伴い、コアなファンやマニアのウェイトが高まるに連れ、コンビニエンスストアの流通構成比は相対的に縮小傾向となる。流通チャネル比率は5%程度と推定される。
有力事業者としては、セブンイレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソン、サークルKサンクス等が挙げられる。

 

その他:

上記以外にも、直販、アニメ・ゲーム関連イベント、雑貨店、書店、駄菓子屋、バンダイ関連商品については自販機等、多種多様な流通チャネルが存在する。

 

 

本稿の詳細データについては、下記調査レポートよりご入手いただけます。
2017年版 玩具産業白書