エフェボーである。おじさんである。カスタム仕様のスケボーやってそうなおじさんに聞こえるがそうではない。かなり突出した人である。何に突出しているのか?ビジネスのベクトルの正体は?それらを明らかにすることが本稿の目的である。

 

  1. 「エフェボー」って、なに?
  2. 「エフェボーおじさん」って、だれ? 
  3. 「エフェボーモデル」は、あらゆるニッチ市場に転用可能
  4.  エフェボーおじさん、「ザ・ビジョナリー」に出てます

 

1.「エフェボー」って、なに?

スケボーの親戚ではない。エフェボーとは、正式名称「エフェクターボード」のことである。エフェクターはエレキギター等の楽器の音色に特殊効果を与える機能を持つ。「ガガガッ、ギャーン!!」「キュイイィィイインンンン」などのアレである。

 

詳細は別の機会に譲るが、そのエフェクト(効果)の種類は(以下なんとなくわかってほしい)、

 

「ひずみ系」 ディストーション等
「モジュレーション(ゆらし)系」 コーラス / ビブラート等
「空間(残響)系」 ディレイ・リバーブ等
「ダイナミクス系」 リミッター / コンプレッサー等
「フィルター系」 ワウ / ゲート等
「アンプ系」 プリアンプ / シミュレーター等
「ハーモニー系」 ハーモナイザー / オクターバー等
「ボリューム系」 ボリュームペダル / イコライザー等
「回路系」 ラインセレクター / スイッチャー等
「シンセサイザー系」 ギター・ベースシンセサイザー等
「マルチエフェクター」 ラック・ペダルマルチ等

 

など、非常に多岐にわたる。それらエフェクターを(ボードに)複数接続したものがエフェクターボード、略して「エフェボー」となる。複数のエフェクターを接続することで、その音響効果をさらに自由にカスタマイズできる。聴いただけではエレキギターから発せられた音とは思えない、生き物のような音響効果を作ることもできるのだ。(ひとつのエフェクターは数千円~数万円)

 

 

エフェクター自体は、プロアマ問わずエレキギター使いには普通のアイテムである。だがそれをボードとして組み上げてカスタマイズするまでいくと、古くはラジオ工作や、学研の電子ブロック(当時欲しかった。。)のような、ニッチなマニアの世界である。だが、「それを極めるとビジネスになる」を具現化している人物がいるのだ。

 

2.「エフェボーおじさん」って、だれ? 

エフェボーはわかった。次に気になるのは「おじさん」の部分である。エフェボーおじさんとはナニモノなのだろうか。
本名は加藤純一氏。株式会社Key Port Kameの代表者である。エフェクターボードの魅力に取り憑かれ(そんなことは言っていない)、エフェボーのWebサイトを運営し、エフェクターボードについて「毎日吠えている」(本人談)という。

 

 

このサイトの会員数は1600人程度とのことで、人数だけ聞くと、大手企業は市場と呼ばない規模で運営されているのだ。
そして主催のエフェボーおじさんこと加藤氏がそれらの投稿エフェクターボードの評価を行い、サイト内でエフェクターの部門毎のブランドを表彰する「エフェボーAWARD」を開催しているのである。

 


3.「エフェボーモデル」は、あらゆるニッチ市場に転用可能

これだけではただのヲタマニアの集会所なのであるが、実はこのWebサイトにプロアマ問わず音楽関係者・業界の人間が集まっているのである。バンドを組んでいる個人ユーザーから、楽器店、プロミュージシャンや企業のレコーディングエンジニアまで、エフェクターボードの情報を必要としている人が集って、情報交換や性能の評価をしているのだ。これはつまり、ユーザーと開発者と販売者が一体となった、しかも文字通りマニアックな、相当にレベルの高い場をエフェボーおじさんが提供しているということである。これはビジネス的にもそうであり、このサイトによるマーケティング効果はとてつもなく高い。単純に考えても、メーカーや販売店がエフェクターの新製品の告知をここで行い、広告を打てば、それだけでどんなマーケティング媒体をも凌駕してしまう。投稿時にユーザーが登録する情報は、ユーザーの嗜好を含んでおり、使用する機材と合わせてセグメント化できる。そしてエフェクターの開発陣も、このコミュニティからダイレクトに技術的なインスパイアを受けていることは想像に難くない。そして販売者もユーザーのニーズをダイレクトに肌で掴むことができる。

 

画像は「efectsboard.com」より引用

 

このWebサイトのキャッチコピーは「エフェクターボード専門 自慢サイト。エフェクターの自慢、情報の共有や交換などのほか、プロミュージシャンの使用しているエフェクターボードなどの情報も。どんどん投稿して自慢しちゃおう!」となっている。そう、この技術的にもビジネス的にも突出したベクトルは、あくまでも「すごいでしょ!」というマニアックな趣味の「自慢」が元になっているのだ。前述の「エフェボーAWARD」は、今や販売店・メーカー・ユーザーをつなぐ架け橋となっている。メーカーの、販売者の、エンジニアの、ユーザーの、そしてエフェボーおじさんの「自慢」の熱量が、このコミュニティをビジネス的にもWin-Winの成功に導いているのである。

エフェボーおじさんこと加藤氏は、「この『エフェボーモデル』は、あらゆるニッチ市場に転用可能です」と話す。そのポイントは次の3つになる。

 

  • 写真投稿サイト=ユーザーが主人公だから盛り上がる
  • 誰もが納得する業界の表彰制度を構築できる
  • 販売店、メーカー、ユーザーをつなぐHUBになる

 

ニッチ市場だからこそ、突き抜けた趣味はビジネスチャンスになり得るのだ。

 


4. エフェボーおじさん、「ザ・ビジョナリー」に出てます

この、マニアックに突き抜けた「エフェボーおじさん」について、テレビ番組「ザ・ビジョナリー ~異才の花押~」で紹介している。放送日は11月20日火曜日であり、東京MXTVで19:58~20:27の時間帯である。番組中の「Xビジネスコーナー」で、Xビジネス的な視点から考察・紹介しているので、ぜひ本稿と合わせて視聴してもらいたい。

 

関連リンク:

ザ・ビジョナリー~異才の花押~
http://the-visionary-project.com/ 

「Xビジネスコーナー」動画アーカイブ
https://xbusiness.jp/xbusiness/visionary

 

efectsboard.com
http://effectsboard.com/

エフェクターボード投稿サイト(Twitter)
https://twitter.com/effectsboard

エフェボーチャンネル(YouTube)
https://www.youtube.com/channel/UCrvP1pm6pOVRWsYvdaVbmQA

 

関連資料:

2018 クールジャパンマーケット/オタク市場の徹底研究
https://www.yano.co.jp/market_reports/C60109800

2017-2018 流通小売市場白書
https://www.yano.co.jp/market_reports/C59120200

2017年版 お稽古・習い事サービス市場徹底調査
https://www.yano.co.jp/market_reports/C59104400