ブートキャンプとは、(アメリカ軍の)軍隊式のトレーニング方法である。そのイングリッシュ版とは、軍隊式に英語を勉強するのか?走って筋トレしながら、体育会的に英語を勉強するのだろうか?語感からくる興味は尽きない。だが興味と同時に、ブートキャンプ、軍隊式の英語学習と聞いて、いままでの英語学習方法とは違うという期待感もあるわけで。。本稿では「イングリッシュブートキャンプ」の素性に迫ってみた。

 

  1. 今はこういう傾向の英語学習市場
  2. 二日で英語が話せるようになる?
  3. その会社、「イングリッシュブートキャンプ」
  4. イングリッシュブートキャンプ、「ザ・ビジョナリー」に出てます

 

1.今はこういう傾向の英語学習市場

ブートキャンプの前に、そもそもの英語学習市場を斬ってみたい。矢野経済研究所の「語学ビジネス徹底調査レポート2018」をみると、語学ビジネス全体の市場規模は順調に推移している。グローバル化が進展するとともに、訪日外国人観光客も急速に増加している。また、大学入試改革、新学習指導要領の改訂へ向けて、語学ビジネス市場では英語の4技能(リスニング、スピーキング、リーディング、ライディング)を学ぶニーズが拡大しているのだ。

 

語学ビジネス市場全体推移

矢野経済研究所推計

 

グラフ中、「周辺ビジネス」とは「語学試験市場」「留学斡旋市場」「翻訳・通訳ビジネス市場」など、語学能力を向上させる以外の内容を指している。周辺ビジネスを除いても、やはり市場は堅調に推移している。その原動力の大きな構成要素が語学スクールであり、なかでもパーソナルトレーニング型英会話教室が急拡大しているのだ。その背景には、短期間で英語力、特に英会話力をアップしたいというニーズがある。それに応える格好で、従来のカリキュラムではなく短期集中を謳い文句にする事業者がサービスを展開しているのだ。恵学社の「StudyHacker ENGLISH COMPANY」、RIZAP ENGLISHの「RIZAP ENGLISH」、レアジョブの「レアジョブ本気塾」などが台頭してきており、2018年では入会待ちの状況も続いている。

 

2.二日で英語が話せるようになる?

「イングリッシュブートキャンプで二日間学べば、英語が話せるようになる」

→ブートキャンプ=アメリカ合衆国で「新兵訓練施設」を意味する口語表現

何やらされるのか普通に怖い。坊主頭の鬼軍曹教官の発音を聴き取って正しく答えられるまで完全軍装で走らされるか、一回間違うと「その場で腕立て伏せ50回実施(←自衛隊方式)」などが思い浮かんでしまう。だが、「たった二日で英語が話せるようになる」には、ヌルいカリキュラムでないことは素人にも想像がつく。

 

「イングリッシュブートキャンプ」レッスン中の様子

 

レッスン中の様子を見る限り和気あいあいとしているようで、「」を加えたり、心身の限界まで追い込むようなことはしていないようである。なればこそ逆にもっと気になる。いったいどんな英語習得プログラムが組まれているのだろうか。。

 

 

その大きな特徴は「キャンプ形式」にある。といってもどこかの施設に連行されて宿泊するわけではない。キャンプ形式と謳っているこの2日間・20時間のプログラムは、まず朝9時過ぎに東京都世田谷区の二子玉川ベース教室に集合することから始まる。次に英会話スクールの定番である、テストによるレベル分けとオリエンテーションを済ませる。そしていよいよ「心理的障壁の破壊(←さぁそれっぽいのがきたぞ)」となるのだが、ここでは「間違えることの恥ずかしさや躊躇を取り除く」ことがカリキュラムの目的となる。ちなみに鬼軍曹に「詰められる」ことはない。ブートキャンプはこのあと「異文化コミュニケーション対応」「実践英会話トレーニング」と続いていき、一日の終わりには宿題が出る。ちなみにキャンプを謳うが宿泊は敷地内のテント等ではなく、自宅やホテルである。
二日目からは、「応用ビジネス英会話トレーニングⅠ・Ⅱ」となる。これは実際に起こり得るケースやロールプレイによるビジネスシーンを想定したもので、最終的にはクライアントへのプレゼンのシーンを迎えることになる。これらのプログラムを二日間で終了すると、最後には「Victory!」と叫んで飛び上がる感動のサプライズエンディングがあるという。

ちなみにこのブートキャンプを受講するには、高校卒業程度かTOEIC350点以上の英語力があればよいとのことである。気になるお値段は98,000円(税別)となる。
また、東京オリンピックなど国際スポーツ大会のボランティア希望者などが受講するケースが増加しており、チャレンジを応援するWebサイト「English Boot Camp Academia」を開設している。キャンプ型式のプログラムを受講したことがなくとも、ここで英会話学習のエッセンスを学べるようコンテンツを開放しているのである。

 


3.その会社、「イングリッシュブートキャンプ」

「たった2日あれば英語に自信を持って話すことが出来るようになる」と意気を上げる人物がいる。イングリッシュブートキャンプ株式会社の事業立ち上げ者であり、代表を務める児玉教仁氏である。三菱商事を経てハーバードでMBAを取得し、グローバル人材育成会社を立ち上げた後、2012年にイングリッシュブートキャンプ事業を立ち上げてきた経歴の持ち主である。
「イングリッシュブートキャンプ」は、英会話スクールというよりはグローバルな環境で活躍するための素地を作るスクールであると話す。そこには英会話上達のために全く異なったふたつのアプローチがあるという。ひとつ目は、イングリッシュブートキャンプが「Stock」と呼ぶもので、ふたつ目は「Action」と呼んでいるものある。
「Stock」とは、英語の知識を増やすトレーニングである。新たにボキャブラリーを増やすと同時に文法を学ぶことも含まれる。既存の英語の勉強や英会話スクールの多くがこの「Stock」方式であり、種々のテストに対し英語の知識を「Stock」して準備するものという。これを踏まえてイングリッシュブートキャンプでは「Action」に重点を置いている。これは「Stock」を実際に使う訓練となる。英会話が難しいと感じるのは、この「Action」の訓練が不足しているとの方針のもと、カリキュラムが組まれているのである。「失敗を恐れずに、英語を楽しんで、恐れずにどんどん使っていく」ことに主眼を置いているのだ。

 

画像は「イングリッシュブートキャンプ」ホームページから引用

 

4.イングリッシュブートキャンプ、「ザ・ビジョナリー」に出てます

この英会話の本質を突いた、企業名とプログラム名でもある「イングリッシュブートキャンプ」について、テレビ番組「ザ・ビジョナリー ~異才の花押~」で紹介している。放送日は10月30日火曜日、東京MXTVで19:58~20:27の時間帯である。番組放送後にWeb上での視聴も順次可能となる。番組中の「Xビジネスコーナー」で、Xビジネス的な視点から考察・紹介しているので、ぜひ本稿と合わせて視聴してもらいたい。

 

ザ・ビジョナリー~異才の花押~
http://the-visionary-project.com/ 

「Xビジネスコーナー」動画アーカイブ
https://xbusiness.jp/xbusiness/visionary

イングリッシュブートキャンプ
https://english-bootcamp.com/

 

関連資料:

2018 語学ビジネス徹底調査レポート
https://www.yano.co.jp/market_reports/C60104900

2019年版 学校向けビジネス徹底調査
https://www.yano.co.jp/market_reports/C60124800

2019 サービス産業白書
https://www.yano.co.jp/market_reports/C60114700