Xビジネス、またはXビジネスになり得る要素に注目して、様々な情報を数値化し、それを持って見える化を図るがランキングコンテンツの試みである。
今回は「X」のうち「エクセレント(eXcellent=卓越した)」をテーマとして、音楽ジャンルに取り組んでみたい。

ジャズの技術と個性

音楽にはポップス、ロック、クラシック、演歌、など様々なカテゴリーがあるが、技術面に着目して「エクセレント」プレイヤーが数多く存在するのはジャズである。
教育体系については、歴史があり楽器毎に専修課程のあるクラシックの方が充実しているが、プロフェッショナルな音楽家の活動に着目すると、オーケストラ=組織の一員として譜面に忠実な演奏が求められるクラシックに比べ、バンド編成に自由度が有り即興演奏が求められる場面の多いジャズの方に「エクセレント」の要素が多いと判断した。
(補足すると、クラシックの方は役割を与えられない限り個性を抑えることが要求され、ジャズはやりすぎない限り常に個性を押し出すことが要求される。要求に応えられない場合はプロ音楽家として認められず、活動しにくくなる)。

ジャズと音楽産業

ビジネス面に目を移すと、現代音楽産業の中核であるレコードビジネス(CD、配信を含む音源販売を指す)に対しては、ジャズが対応しきれているとは言い難い。
即興演奏が核となっているということは、同一楽曲同一編成であっても全く同じ演奏の再現は困難であり、レコードに落とし込めるのはたまたま録音できた一演奏ということになる。
他の音楽カテゴリーがレコードをマスター音源としているのに比べ、ジャズに限ってはレコードはワンオブゼムの存在に過ぎないため、商品としてのアピールポイントが弱いため、昭和から平成にかけて急拡大したレコードを中心とした音楽産業の発展からは取り残されてしまった感があるジャズだが、リスナーの視聴スタイルがCDからダウンロード、さらにストリーミング配信に移行するにあたり、復権の可能性が生まれてきた。

視聴スタイルの変化とジャズ

ストリーミング配信による視聴において、リスナーはレコードをあまり意識しない。日常生活では定額料金のみを支払って空気のように流れている音楽を楽しみながら、さらなる体感を求めてライブ会場に足を運ぶ。「レコードよりもMDが儲かる」というのは、最近になって音楽業界関係者が度々口にする言葉だ。
MD=マーチャンダイズは、ライブ会場でのTシャツ販売など物販を指すが、リスナーはコンサート入場料を支払ってイベントに参加し、その体験をSNSでシェアしつつ、記念として会場で販売されている(多くは限定品の)グッズなどを購入する。
ストリーミング配信サービスの定着、そしてSNSの浸透という背景により、ユーザーの消費ポイントが、レコードからライブ会場へと移りつつあるわけだが、この流れに強みを発揮できるのが、ポップスやロックに比べサウンドメイクがシンプルであり、クラシックに比べバンド編成の自由度が高く、演奏家のテクニックを見せどころにできるジャズである。

現時点ではまだジャズが日本音楽シーンの主権を取るポジションに来ているわけではないが、レコードビジネスとは無縁ながら、地域密着型で長く続いているイベントも多い。
Xビジネス調査チームでは、ジャズフェスやジャズストリートと呼ばれるイベントを対象として、その評判の盛り上がりを把握するために、インターネット上での検索、クチコミ上のキーワード流通量を調査のうえ、1年間の合計値によるランキング化を行った。

「JAZZフェス(ジャズフェス)」注目度ランキング TOP10

順位 イベント名称 開催都道府県 キーワード流通量
  東京JAZZ 東京都 6,362
  高槻ジャズストリート 大阪府 4,061
  定禅寺ストリートジャズフェスティバル 宮城県 3,011
  中洲ジャズ 福岡県 2,648
  芦屋ジャズ・フェスティバル 兵庫県 1,613
  Sapporo City Jazz 北海道 1,363
  金沢ジャズストリート 石川県 1,210
  すみだストリートジャズフェスティバル 東京都 1,037
  南郷サマージャズフェスティバル 青森県 581
  境港妖怪ジャズフェスティバル 鳥取県 565

調査内容:2017年に実施される「ジャズフェス」のオンライン流通量(メディア露出数、検索数、クチコミ数)を集計
調査期間:2016年5月1日〜2017年4月30日(1年間)
流通量合計:26,395(回)
調査協力:株式会社Web経済研究所

インターネット検索により、2017年に実施を計画しているジャズイベント数は48を確認した。
開催スケジュールは数日間(主に週末、祝日を含めた2〜3日間)となるため、キーワード流通も短期間で発生している。
開催地域は北から南まで幅広く、日本全国でジャズイベントが行われている。

以下にその推移および分布をまとめた。

「JAZZフェス(ジャズフェス)」注目度 月次推移

 

「JAZZフェス(ジャズフェス)」注目度 地域分布

当サイトにおける音楽ジャンルでは独立したカテゴリーとして「ボーカロイド」を設けているが、生の音楽ビジネスとしてのXの一例としてジャズフェスを取り上げてみた。今後も様々なXを追求し、ランキングコンテンツでは数値化を試みてみたい。

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