季節の風物詩、テレビ番組の改変期で「あぁ、もうそんな時期か」と季節の移り変わりを感じるひとも多いだろう。そのなかには当然新作アニメもあるわけで。この時期になると自作の新作アニメ時間割を作成してしまうほどのアニメ大好な人たち(子供から大きなお友達まで)が存在しているのである。

  1. 「つづきみ」ってこんな意味
  2. 「つづきみ」ってこんなイベント
  3. 「つづきみ」の目指すもの
  4.  つづきみ、「ザ・ビジョナリー」に出てます

1.「つづきみ」ってこんな意味

つづきみ。お月見ではない。「つづきみ」とは、「続き観」の意味である。つまり「続けて観る」ということで、何を視るかというと「新作アニメを続けて観る」のである。
改めて、つづきみとは、1話も視ずに終わる“ゼロ話切り”を 撲滅 するべく立ち上がった「ゼロ話切り撲滅委員会」によって開催されているイベントである。2016年から開催されているこの企画は、「3話切り」「1話切り」どころか「ゼロ話切り」を世の中から撲滅すべく、新番組のプロモーション映像の一挙上映などを行うという、ネットでいうまとめサイトのアニメ版・イベント版なのである。

画像は「 つづきみ 」より引用

「たかだかテレビアニメ観るのにそんなに悩むか?」と思うのは、クリームあんみつよりまだ甘い。年に二回の番組改編期に、テレビアニメだけで何タイトルの新作が登場しているかご存知だろうか。-毎回なんと 50 もの新作アニメが放送されているのである。毎期全タイトルをチェックしてぜんぶ観ていたらどうなるか? 一話が仮に25分として、全12話として、50タイトル。。 -無理
当然ながら、最初の数話や最初だけ観る「3話切り」や「1話切り」ならまだしも、「タイトルだけ確認して本編は観ない」、さらに「そもそもそんな作品がある事すら知らなかった」という人も多いはずだ。これが「ゼロ話切り」と呼ばれる(らしい)現象である。


2.「つづきみ」ってこんなイベント

「つづきみ」では、各アニメの製作委員会や制作会社の協力で集まった新番組のプロモーション映像を、3時間かけて一挙に上映している。都度の作品紹介では、ニッポン放送の吉田アナウンサー、女優やタレント等の軽快なトークと共に進行し、新番組への知識と期待が高まるという内容になっている。イベント内容は同時に ニコ生 、バンダイチャンネルなどのメディアでの生配信が行われている。
前回の第9回は2018年の9月に秋葉原で開催され、秋に放送される全アニメのうち49作品のプロモーション映像を上映している。

■イベントタイトル

第9回「僕たちは新作アニメのプロモーション映像を3時間かけて一気観したらどのくらいつづきをみたくなるのだろうか?」
(略称:「つづきみ」)

■開催日時

2018年9月26日(水)18:30~21:30

■イベント司会

吉田尚記(ニッポン放送)、結(女優・タレント)

■コメンテーター

リチャード・アイゼンバイス、野口衣織(=LOVE)

■配信メディア

  • ニコニコ生放送
  • バンダイチャンネル
  • Tokyo Otaku Mode Facebookページ(English)
  • Twitch(English)

■作品タイトル

あかねさす少女
色づく世界の明日から
INGRESS THE ANIMATION(イングレス)
「うちのメイドがウザすぎる!」
宇宙戦艦ティラミスⅡ
『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』
おとなの防具屋さん
俺が好きなのは妹だけど妹じゃない
ガイコツ書店員 本田さん
学園BASARA
からくりサーカス
寄宿学校のジュリエット
SSSS.GRIDMAN
ゴブリンスレイヤー
ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風
せいぜいがんばれ!魔法少女くるみ
ソードアート・オンライン アリシゼーション
ソラとウミのアイダ
オリジナルTVアニメ「ゾンビランドサガ」
抱かれたい男1位に脅されています。
DOUBLE DECKER! ダグ&キリル
ツルネ-風舞高校弓道部-
TVアニメ「アイドルマスター SideM 理由あってMini!」
TVアニメ「となりの吸血鬼さん」
東京喰種トーキョーグール:re
トロールズ: シング・ダンス・ハグ!
生放送アニメ「直感×アルゴリズム♪」
爆釣バーハンター
BAKUMATSU
走り続けてよかったって。
叛逆性ミリオンアーサー
ひもてはうす
ベルゼブブ嬢のお気に召すまま。
メルクストーリア ?無気力少年と瓶の中の少女-
やがて君になる
RErideD-刻越えのデリダ-
RELEASE THE SPYCE
他12作品
計49作品

主催:ゼロ話切り撲滅委員会

運営:ドットフォワード合同会社

とになる。商業的に言えば、である。

 

だが、このイベントは、一人でも多くのアニメファンに新シーズン作品の面白さを伝えたいという「思い」からはじまっているのだ。それは何故だろうか。

近年のアニメ作品は、毎回「ぎゃふん!」と終わる一話完結型や、単に剣や魔法の異世界に遊ぶのではなく、現在の時間軸や世界に重ねた、深い造詣、純文学のような世界観や心理描写を持つものも少なくない。その作品に出合うことによって、人生が変わる人が出てきてもおかしくないのだ。実際、今期の作品でも、そこから(学校の科目的な)生物の理解を深めて医療の道を目指す人が出てきたり、ただのレ〇アニメと思いきや、女性同士の恋愛というひと言で括ることはできない心理描写やセリフ回しに接することによって、ひとの気持ちに深い考察をもって心理カウンセラーを目指すひとも出てくるような、そんな作品群が目白押しなのである。

もちろんそれらは作品の魅力のおかげなのだが、その作品に触れるきっかけを提供する「つづきみ」によって、間接的に人生を変えていくひとがいるのである。過言?いやそうではない。「つづきみ」の送り手の面々には、単に「この作品面白いよ」だけではなく、「この作品に出合って、より人生を充実させるきっかけになってほしい」の思いがあるはずである。そうでなければ「伝えたい」という原動力は起こらないのだ。

4.つづきみ、「ザ・ビジョナリー」に出てます

この「ゼロ話切り」を世の中から撲滅すべく開催されている「つづきみ」について、テレビ番組「ザ・ビジョナリー ~異才の花押~」で紹介している。放送日は9月25日火曜日であり、東京MXTVで19:58~20:27の時間帯である。番組中の「Xビジネスコーナー」で、Xビジネス的な視点から考察・紹介しているので、ぜひ本稿と合わせて視聴してもらいたい。

ちなみに次回の「つづきみ」は、来年の番組改変期ではなく、今年2018年の12月30日とのことである。

http://tudukimi.com/

関連資料:

2018 クールジャパンマーケット/オタク市場の徹底研究
https://www.yano.co.jp/market_reports/C60109800

2018 レジャー産業白書
https://www.yano.co.jp/market_reports/C60115100

2018年版 キャラクタービジネス年鑑
https://www.yano.co.jp/market_reports/C60102700

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