~「アート&ビジネス」の理念で「恋愛と戦いのドラマ」を創造~

株式会社ボルテージは1999年9月に設立されたデジタルコンテンツ事業者である。

2006年頃より、事業を女性向けの「恋愛ゲーム」に特化し、「モバイル恋愛ゲーム」会社として高い成長率を実現、2003年~2012年6月期においては日本テクノロジーFast50」を8年連続受賞している。

更に、2010年に東証マザーズ、2011年に東証一部に上場。「恋愛」をコンテンツとしたビジネスでは、最も成功した事業者の一つとなっている。

本項では、株式会社ボルテージのビジネスモデルと成功要因を解説してゆく。

サービスコンテンツ

株式会社ボルテージの主要サービスコンテンツは、以下のモデルに分類される:

分類 内容・タイトル
恋愛ドラマアプリ
F2P型
F2P(=Free-to-Play):基本プレイ無料、アイテム制課金のコンテンツ。ミニゲームやコミュニティーでの交流を楽しみながらストーリーを読み進めるシリーズ。作品例:「天下統一恋の乱 Love Ballad」他
シークシリーズ
F2P型
恋愛ドラマの新シリーズ。ストーリーを読み進めながら、謎解きが楽しめる。作品例:「ダウト」他
恋愛ドラマアプリ
P2P型
P2P(=Play to Play):ストーリー単位の個別課金コンテンツ。コンテンツをダウンロード後、自分のペースでドラマを個人で楽しむコンテンツシリーズ。作品例:「上司と秘密の2LDK」他
パズルアクションアプリ
F2P型
恋愛アプリで人気のキャラクターが登場するストーリーにパズルアクションを掛け合わせたシリーズ。作品例「Love ☆スクランブル」他
サスペンスアプリ
F2P型
同社としては比較的新しい取り組みとして、ターゲットを男性に絞り、収集・育成要素を駆使したサスペンス感覚のアプリ。作品例「六本木サディスティックナイト」他
VR・ARアプリ 仮想現実(VR)、拡張現実(AR)技術を搭載したアプリ。作品例:「椅子ドンVR」「ポケカレAR」他

 

この他、海外向けアプリとして、恋愛ドラマアプリの英語翻訳版「LION」シリーズや、北米の女性の好みに合わせた「USREAL」シリーズ等をラインナップしている。

 

ビジネスターゲット

同社の「恋愛ドラマアプリ」の多くは、好きなゲームをライトに楽しむ「カジュアル」女性層が中心である。メインユーザーは30代前後の女性。

昨今は戦略的に、よりヘビーユーザーである「カジュアルコア」および「コア」層に向けたコンテンツを新規に投入し、「カジュアル」と「カジュアルコア/コア」の2層を両輪としたビジネス展開を進めている。

また、英語翻訳版、VR・ARを用いたハイテクコンテンツ等、コンテンツの多様化を進め、広くユーザーを獲得する動きを進めている。

 

事業戦略 / Xビジネス ポイント

かつて「恋愛ゲーム」はオタク的要素の強いコア層向けのコンテンツとされるイメージがあった中、同社はそのイメージを払拭すべく、若手女性タレントを起用したファッション雑誌やTVCMへの出稿、人気俳優・声優のアプリへの登用等により、カジュアル層の女性に訴求していったことが、大きな成功要因となった。

創業後、継続して成長を続けている要因は、同社の企業ビジョンでもある「アート&ビジネス」「恋愛と戦いのドラマの独自スタイル追求」にもある。

「アート&ビジネス」の「アート」とは自ら感動するコンテンツを生み出してゆく「意志」であり、「面白かった。感動した」という言葉を聞くために試行錯誤し、その結果、「ビジネス」としても利益をあげ、次の作品に利益を投入することを基本戦略としている。

映画の主人公が求めるものは究極的には「恋愛と戦い」である、と見極め、それをネット時代にふさわしい物語の形を考え、独自スタイルとして追求していくことが、コンテンツ開発の基本としている。

このような企業ビジョンの発想は、同社代表の津田氏が大手広告代理店の博報堂で広告企画に関わった後、米国UCLAで映画製作を学んだ経験が色濃く投影されている。

更に、「3回に1回は新しいことに挑戦しよう」「自らの能力と環境を見極め、ぎりぎり手が届きワクワクするような範囲でゴールを設定する」といった、「自律成長する個人、組織」を掲げて、自社組織を活性化し、チャレンジできる環境作りときめ細かい収益管理を両立させていったことが、今日の「モバイル恋愛ゲーム」として最も成功した企業の地位を築いたと言える。

 

株式会社ボルテージ 基本情報

企業概要:

所在地:〒150-6028東京都渋谷区恵比寿4-20-3 恵比寿ガーデンプレイスタワー28階
設立: 1999年9月
資本金:9億3600万円
代表者:津谷 祐司
従業員数:363人(2016年6月現在)
事業内容:映像ソフト・音声ソフトの企画・製作・買付・販売、インターネットコンテンツ・コンピュータソフトの企画・制作・販売等

 

業績推移:

  売上高(百万円) 前期比(%)
2013年6月期 9,089 -
2014年6月期 10,083 110.9
2015年6月期 10,600 105.1
2016年6月期 11,219 105.8

 

URL:

http://www.voltage.co.jp/