- 研修を通じて「社会人としての心構え」「ビジネスマナー」「プレゼンテーション力」「自社理解」等を習得することで、新人の自立に必要不可欠な「ビジネスパーソンとしてのマインド」を短期間で養成するプログラム -

と聞いて、心躍るヒトは 皆無 だと思われる。少なくとも受講者側はそうであろう。ただ、それが「ワクワク冒険島」「ジパング」「パンダ」な内容と聞いたらどうだろうか。なんだか楽しくなってくるエンターテインメント系キーワードである。だがこれが研修の内容と聞いたとたん、逆に 怪しくなる 。称して「劇場型ラーニング」。ここではその正体に迫ってみたい。

  1. この厳しさはワクワクでなければ乗り越えられない…
  2. 「劇場型ラーニング」という独自の人材育成サービス
  3. その会社、「株式会社ワークハピネス」
  4. ワークハピネス、「ザ・ビジョナリー」に出てます

1.この厳しさはワクワクでなければ乗り越えられない…

前述の「ワクワク冒険島」とは、社員教育プログラムであるという。パッと聞きには新入社員を無人島に放り出してのサバイバル研修…とも思えるが、曰く、

「アタマ、カラダ、ココロを揺さぶる体感型のトレーニング = 劇場型の社員教育研修プログラム(主に新入社員向け) → 3日間で自立型人間を擁立!」

とのこと。 やはり無人島か。

さらに気になって調べると、「社会人としてのスタンス(意識)を養いつつ、会社(自社)や社会に対してどのような貢献や挑戦をするのか?をコミットする」内容であると。 ラ○ザップ系か。

だが、開催場所はどうやら無人島ではなく、主催会社のセミナールームのようである。では上記の内容を受講者にどうワクワクさせるのか。そのスタイルは座学ではなく、ワークショップ(参加して、課題を与えられて訓練したり、創作活動を体験しながら学んでいく能動的な手法)形式のプログラムである。そしてその内容は劇場型、つまり研修上のストーリーに沿って構成されている。
実例として、ハイパフォーマー育成研修「ワクワク冒険島2ハウルの手紙」というワークショップがある。これは、「どのような状況でも好業績を安定して残せるエース社員の考え方や物事の見方を、効果的に学べる」という内容になっている。そしてストーリーを踏襲(克服)していき、自ら悩み、考え、追い込まれ、そして行動に移すという実践をひたすら繰り返すことで、自発的に行動できる即戦力へ変貌を遂げるというものである。

研修ではチームを組み、大会場でそれぞれ議論を行いう。そしてひとチーム5~6名の複数チームで自己探求のための全4つのミッションを乗り越えていく。受講する社員、特に新入社員にとって、追い詰められても逃げられないこの研修は、過酷とも言える経験になることは想像に難くない。だが、それがその後の自信につながり、本人にとっての大きな未来が開かれるのだという。

グループ単位で講師からのコーチングを受けて内省(自分の考えや行動などを深くかえりみること)を深めて、会社で働く意義を各自が見出すことで研修は進んでいく。そして別室で待機している講師にプレゼンテーションをすることで、自らが考える力をつけていくのだ。その後、講師から 厳しいフィードバックを受けることで問題点を見つけ、チーム一丸となってそれを乗り越えていく。この過程でチームの大切さを実感し、やり遂げることを体感することで、一皮むけた社会人へ徐々に育っていくのだ。

2. 「劇場型ラーニング」という独自の人材成サービス

この研修プログラムは、劇場型という特殊な形態をとっているが、あくまでその目的は人材育成のための研修である。既存の研修プログラムと一線を画している点は、昨今の社会の風潮を反映していることにある。そこでは「価値観は多様化しており、かつての共通認識は存在しない」と言い切る。そのうえで「何の為にこの会社で働くのかについて、自分なりの意義を持つ」ことをポイントにしているのだ。そして「素の自分を受け入れ、互いに鼓舞できる」仲間を信頼し、自身に「有能感、成長への勇気、やりがいと自分の能力への信頼」を持たせる。そのうえで「大切な価値観と会社との接点」を認識することで、受講者に会社への信頼を持ってもらうというものである。これらを目的として「劇場型ラーニング」を展開しているのである。

画像は「ワークハピネス」Webページから引用

この「劇場型ラーニング」の研修は、鈴与や双日といった大企業も含め、新入社員だけでも毎年2,000名以上が受講しているという。受講者も、「研修を通して自身が仕事に求めているものや原動力の源になっているものを発見できた」「自身で気づいていなかった、なりたい自分に気づいた」「日常の行動について考察し、なりたい自分を妨げるものは何かを考えることができた」「この『冒険』に参加していなかったら仕事をすぐに辞めていたと思う」と好評の様子である。

3. その会社、「株式会社ワークハピネス」

この「劇場型ラーニング」を世に送り出しているのが、「世界中の組織を『Work Happiness』にあふれるチームに変える」と謳う、株式会社ワークハピネスである。同社は、組織の変革を通じて、企業のイノベーション創出をサポートするコンサルティングファームである。主に「ニッポンイノベーター塾」の運営のほか、大手を中心とした企業向けの組織・人材コンサルティングを行っている。その事業内容は大きく3つに分かれており、「イベーション創出コンサルティング」「組織変革コンサルティング」「人材開発トレーニング」となっている。

画像「株式会社ワークハピネス」ホームページから引用

同社の代表取締役である吉村慎吾氏は、こう警鐘を鳴らす。「生き残るためだけの戦略を考える経営者。生活するためだけに働くサラリーマン。言われたことだけをやる指示待ち集団。自分が何者かを知らずに生きている人が多くて、あまりにも勿体無い。勇気を出して挑戦すれば、自分が何者であるかを知ることができるというのに。」 耳の痛い話である。。

4.ワークハピネス、「ザ・ビジョナリー」に出てます

働く社員を「劇場」を通じて「ハピネス」あふれるチームに変える、この「劇場型ラーニング」について、テレビ番組「ザ・ビジョナリー ~異才の花押~」で紹介している。放送日は11月13日火曜日、東京MXTVで19:58~20:27の時間帯である。番組放送後にWeb上での視聴も順次可能となる。番組中の「Xビジネスコーナー」で、Xビジネス的な視点から考察・紹介しているので、ぜひ本稿と合わせて視聴してもらいたい。

(依藤 慎司)

関連資料:

2019 人事・総務関連業務のアウトソーシングビジネス調査レポート
https://www.yano.co.jp/market_reports/C60121100

2019 eラーニング/映像教育ビジネスレポート
https://www.yano.co.jp/market_reports/C60124300

2019年版 新卒採用支援市場の現状と展望
https://www.yano.co.jp/market_reports/C60119800

関連リンク:

株式会社ワークハピネス
https://www.workhappiness.co.jp/

ワークハピネスStyle
http://blog.workhappiness.co.jp/