ライトノベル市場の定義

業界において「ライトノベル」の明確な定義は存在しないが、本項では便宜的に「表紙や挿絵にアニメ調のイラストが使用されている」、「主に中高生・青少年をメインターゲットとしている」と定義する。尚、電子書籍も市場規模に含める。

ライトノベル市場の客層

2016年9月に矢野経済研究所が実施した消費者アンケートより、「ライトノベルオタク」を自認する消費者は日本国内に約165万人と推計。年代は19歳以下:20.8%、20代:32.9%、30代:22.2%、40代:12.1%、50代:8.2%、60代:3.9%で、20代が市場を牽引。男女比は71.5%:28.5%。また、今年度より新たに調査項目として加えたオタク歴については10年未満で60.0%を占め、平均は9.2年。
 

ライトノベル市場の客単価

「ライトノベルオタク」を自認する層が「ライトノベル」にかける金額は平均で年間11,133円。1冊700円と仮定すると、月1~2冊程度購入している計算になる。
 

ライトノベル市場の構造

一般の小説とは異なり、ストーリー及び作家に加え、挿絵画家によっても売上が左右される市場である。ライトノベルの漫画化や、漫画のライトノベル化も多く、漫画との親和性も極めて高い市場となっている。
主要事業者は、KADOKAWAグループであり、同グループ企業が、「角川スニーカー文庫」、「角川ビーンズ文庫」(角川書店)、「富士見ファンタジア文庫」(富士見書房)、「電撃文庫」(アスキー・メディアワークス)、「ファミ通文庫」(エンターブレイン)等、多数のレーベルを持ち、市場シェアの8割程度を占めているものと推定される。
「ライトノベル」の起源・原型については諸説あるものの、1990年代頃~2000年代初頭にかけて多数発刊された「少女小説」と呼ばれ、漫画家による挿絵を多用した10代女性をターゲットとした小説レーベル(「講談社X文庫ティーンズハート」や「コバルト文庫」等)や、1980年代後半に創刊された少年向け小説レーベル「角川スニーカー文庫」、「富士見ファンタジア文庫」等が挙げられる。但し、当時は「ライトノベル」という呼称が定着していなかった。呼称が一般に定着したのは2000年代以降とみられる。2000年代頃からは、上記の「少女小説」よりも10代男性をメインターゲットとしたものが主流であった。ここ数年においては、30代をターゲットとしたレーベルも出現した。本来のターゲットである10代を取り込めていない各社は、ターゲットの裾野を拡大している。
アニメ・漫画・ゲーム等と共にメディアミックス展開される傾向が強いことも「ライトノベル」の大きな特徴ともいえる。特にアニメ化により部数を伸ばすことが戦略上重要なことの一つとなっている。
 

ライトノベル市場のトレンド、トピックス

●KADOKAWA、30代男性をターゲットとした新レーベル「ノベルゼロ」を創刊

矢野経済研究所が実施した消費者アンケートでは、19歳以下のラノベオタクは20.8%、20代は32.9%、30代は22.2%となっており、本来のターゲット層である10代より20代、30代の割合が高くなっている。そうした状況下、KADOKAWAと双葉社は30代までターゲット層を広げ市場拡大を図っている。2014年7月に双葉社が創刊した「モンスター文庫」は30代読者から支持を集め、堅調な推移を示しているという。一方、当該市場の課題としては、本来主要顧客となる10代層の取り込みが出来ていないことである。10代の取り込みに成功しないと市場の拡大は難しいものと推察される。

ライトノベル市場規模

2015年度のライトノベルの市場規模は、前年度比2.6%増の272億円であった。内訳は、書籍は同5.8%減の212億円、電子書籍は同50%増の60億円と推定される。書籍版の大幅な減少は、2012年に販売のピークを迎えた「ソードアート・オンライン」(電撃文庫)に続くヒット作品が登場しなかったことによることが大きい。
2016年度の市場規模は、前年度比1.1%減の269億円と予測する。書籍は前年度比6.1%減の199億円と引き続きマイナス成長、電子書籍は同16.7%増の70億円と予測される。
 
 

本稿の詳細データについては、下記調査レポートよりご入手いただけます。