菓子製造業[福岡県]

生産性向上への取組を毎月検証。採算の低いロングセラー製品を終売し、単価の高い新製品を開発し収益が向上

業種・食品種類
パン・菓子
効率化工程
生産工程
効率化事例
前工程, 機械・ロボット, その他
売上規模
30~50億円未満

従業者の状況

従業者数
正社員・契約社員
パート・アルバイト
80名
130名
従業者の部門別構成比
製造部門
間接部門
その他
80.0%
10.0%
10.0%

生産関連の状況

 
生産量 / 稼働時間
生産量
28,480袋/日
工場稼働時間
8時間/日
 
コスト構造 構成比
原材料費
約33%
人件費
約12%
減価償却費
約3~5%
その他
約50~52%
 
製造工程における設備・機械対応比率
製造工程[原材料投入から製品完成まで]
10工程
うち、設備・機械対応
8工程
設備・機械対応比率
80.0%
設備・機械担当人数
 
現状
5年前
設備・機械担当者計
[メンテを含む]
5人
5人
設備・機械メンテ
担当者
5人
5人
機械・設備導入・
整備選任
5人
5人
その他
担当:
1人
1人
!生産性向上におけるPoint
  • 製品数を集約するとともに、継続的に設備投資を実施し、生産性向上に効果
  • ロングセラー製品のノウハウを活かし、高単価の新製品を開発したことで、収益性が向上
  • 国産原材料を使用した高付加価値製品を新たに開発し、さらなる収益性向上を目指す
製品数を集約するとともに、継続的に設備投資を実施することで生産性が向上

揚げ菓子や焼菓子、ドーナツ、パウチタイプのシャーベット、フルーツゼリーなどの菓子を製造しているが、製品数を集約するとともに、継続的に設備投資を実施し、生産性向上に取り組んでいる。1ラインで製造するアイテム数を絞り込むことで、ライン切替時のパーツの交換や包装フィルムの取換え作業が減少している。切替による機械の停止時間が最小限となったことで生産効率が大幅に向上した。

採算の低い製品を終売するとともに、単価の高い新製品の開発により収益性が向上。増産に向けライン増設を計画

社内に「生産性カイカク委員会」を設置して、毎月、生産性向上の取組について成果と課題を検証することで改善策を導き出し、着実に成果へと結びつけている。この取組の一環として設備投資の優先順位を検討しており、長年製造していたチューブ入りドリンクの採算が低いことから製造を終了し、2022年に当該ドリンクの製造ノウハウを活かした新製品として、スティック型シャーベットを開発した。

農林水産省「食品産業の輸出向けHACCP等対応施設整備事業」を活用した設備投資を行っており、殺菌工程を大幅に見直し、殺菌効果の向上と大幅な工程、時間短縮も実現した。

シャーベットの箱単価は、チューブ入りドリンクの約2.2倍と単価が高い。原材料費などの変動費は従来並みだが、箱単価に占めるエネルギーコストや物流コストの削減、生産アイテムの集約による生産効率の向上により、収益性が約3倍にまで拡大した。また、新製品の販売が好調だったことから、生産体制を昼夜二交代制に変更し、ほとんど毎日フル稼働させた結果、製造量は680箱/日から1,780箱/日へと約2.5倍以上増加した。

シャーベットの国内販売が好調なことから、現在、製造能力を1.5倍に引き上げるためラインの増設を計画しており、2025年春の稼働を目指している。

国産使用の高付加価値製品を開発し、収益性向上を目指す

現在、国産小麦粉を使用したドーナツ、焼菓子の発売に向け、製造設備の導入を進めている。

また、製造工程において最も労力を要する後工程のうち、段ボール詰めとパレタイジングの工程に自動化設備を導入する予定である。国産原材料を使用し付加価値を高めることで、従来品に比べ収益性をさらに向上させる狙いで、新製品の販売単価は、増量し、従来品の約1.5倍に設定する予定である。