農産加工品製造業[岡山県]
人手不足、工場老朽化に伴う自動化への投資を計画。工程の人員削減、生産性向上に期待
従業者の状況
生産関連の状況
[メンテを含む]
担当者
整備選任
担当:
!生産性向上におけるPoint
- 人手不足の深刻化と生産設備の老朽化を踏まえ、自動化への投資を検討。パレタイザーの導入、容器の自動セット化による生産効率向上を計画。機械化による大幅な人員削減、生産ラインの集約化による生産性向上と間接作業の効率化に期待
消費者志向の多様化の中で商品数の集約に限度。製造部門の効率化が喫緊課題
納豆製造業の同社では、人手不足が深刻化する中で、生産性向上を目指し、商品の集約化とパレタイザー等の自動化、生産ラインの自動化の推進を検討している。
また、商品の集約化を進め、生産量の少ない製品については、半年ごとの新商品投入のタイミングで、リニューアルや仕様を変更することで製造効率を向上したいと考えている。一方、消費者の多様な嗜好により、アイテム数の削減が進まず、現状では、吟味を重ねて過剰なアイテムの増加を抑制するにとどまっている。しかしながら、会社全体で人手不足が深刻化し、その対応が最優先課題となったことで、状況は変化しており、特に、営業部門でも不採算アイテムの終売に対する協力的な姿勢が見られるようになってきた。
一方、消費者ニーズの多様性を考慮すると、商品数を大幅に削減することは難しい現実がある。そのため、製造部門における効率化が喫緊の課題となっている。
2025年にパレタイザーの導入を計画。作業人員の削減効果に期待
段ボールの積み上げや包装など、付加価値を生み出しにくい工程は人手で行っているが、人手不足が深刻化する中、将来的な生産継続のため、2025年にパレタイザーを1台導入する予定である。機種選定は最終段階で、協働ロボット導入にあたっては、作業者との協働空間の安全性を確保するため、ロボットの安全センサーが作動し、即座に停止するシステムとなっているが、万が一の事態に備え、安全機能の実効性を検証する予定である。
箱取り工程は、現在、3ライン合計で6名が従事しているが、パレタイザーを3ラインに横展開した場合、箱取り工程における人員は不要となる。
製造ラインの老朽化に伴い更新を検討。自動化に伴う人員削減とラインの集約に伴う生産性向上に期待
同社工場は稼働開始から20年が経過し、製造ラインの機械設備が老朽化し、部品供給も不安定となっていることから、生産能力の向上と安定稼働の確保を目的にライン一式更新による設備投資を検討している。具体的には、容器の自動セット化など、現在人手で行っている工程の自動化を進めることで、生産性を向上させる。自動化によりラインあたりの生産量が約1.7倍に増加し、2ライン分の作業を1ラインで処理できるようになる見込みである。また、ライン数の削減に伴い、洗浄時間短縮など、間接作業の効率化も期待できる。
現在、8ラインを対象に、年2ラインずつ4年かけて順次更新する計画を立案している。本計画の実現により、生産性の向上だけでなく、人件費削減や作業環境改善にも貢献できると考えている。