調味料製造業[埼玉県 ]
重労働の機械化、生産・品質管理のセンサー化による作業の平準化により人材配置の効率化を実現
従業者の状況
生産関連の状況
[メンテを含む]
担当者
整備選任
担当:機器オペレーター
!生産性向上におけるPoint
- 従業者の作業負荷が大きい工程の機械化により、従業者の満足度向上、生産性向上を実現
- センサーの導入により、人手に頼っていた品質・生産管理を標準化。品質の安定化と生産性の向上に寄与
作業負荷の大きい梱包ラインを自動化。工程の効率化と、従業員の満足度向上を実現
調味料メーカーである同社は、2017年に新設した工場において、2021年にパレタイザー(段ボールケースをパレット上に積む機械)を導入した。従来、人手で行っていたダンボールケースのパレタイズ作業(パレットに荷物を積む作業)は作業負荷が大きかったため、省人化・効率化を目的に自動化した。パレタイザー導入後、梱包ラインのスタッフを削減し、他の製造ラインへの配置転換を行った。これにより、梱包作業における人員の負担が大幅に軽減され、工場全体の生産性向上に貢献した。
予想を上回る工程の効率化と、従業員の満足度向上を実現できたことから、2024年度は別の製造ラインにもパレタイザーを導入した。2台目のパレタイザー導入に際し、生産ラインからパレタイザーへの製品搬送工程にコンベアを導入し、ライン化を図った。この結果、生産性のさらなる向上を実現した。

ロードセル導入により従業者の経験値を標準化
仕上工程上の中で流量調整していたものを重量にて管理するため、仕上調整タンクの下にロードセル(力や質量を検出するセンサー)を設置した。これにより、温度や湿度といった要素を考慮した原料の調合が、従業者の経験値に頼ることなく誰でも行えるようになり、充填前の再検査率が低減した。
梱包工程の効率化を皮切りに、製造工程全体の最適化を目指す
現在、梱包工程の効率化を第一段階として取り組んでおり、その後は原料計量工程の効率化と在庫適正化に取り組むことで、歩留まり向上と無駄削減を目指す。
梱包工程における生産性向上率は約50%と評価しており、引き続き改善に取り組む。今後の取組としては、ダンボールケースへの梱包作業の効率化を検討しており、2~3年以内の実現を目指す。
原料計量工程の効率化では、工場スタッフが現在行っている機械操作を、IoTセンサーに順次置き換えることで、工場全体の集中管理体制を構築する。IoTセンサーの価格は普及に伴い低下傾向にあるため、今後数年のうちに、優先すべき工程を精査し、導入を検討する予定である。人手不足が深刻化する中、生産ラインへのセンサー設置は、品質の安定化と生産性の向上に不可欠であると考える。