麺類製造業[福井県 ]

製造状況の監視システム導入により問題の可視化と機械稼働率向上、アームロボットの導入で生産性向上を実現

業種・食品種類
麺類
効率化工程
生産工程
効率化事例
前工程, 機械・ロボット, センサー設置
売上規模
10~30億円未満

従業者の状況

従業者数
正社員・契約社員
パート・アルバイト
78名
30名
従業者の部門別構成比
製造部門
間接部門
その他
60.0%
40.0%
-%

生産関連の状況

 
生産量 / 稼働時間
生産量
5t/日
工場稼働時間
8時間/日
 
コスト構造 構成比
原材料費
約40%
人件費
約25%
減価償却費
約4%
その他
約31%
 
製造工程における設備・機械対応比率
製造工程[原材料投入から製品完成まで]
16工程
うち、設備・機械対応
14工程
設備・機械対応比率
87.5%
設備・機械担当人数
 
現状
5年前
設備・機械担当者計
[メンテを含む]
4~5人
4~5人
設備・機械メンテ
担当者
4~5人
4~5人
機械・設備導入・
整備選任
4~5人
4~5人
その他
担当:
-
-
!生産性向上におけるPoint
  • 長年にわたり製造ラインの自動化を導入。老朽化した機械設備におけるトラブルの多発に対し、製造状況の監視システムを導入。問題の可視化により機械稼働率の向上、ロス率の低減を実現
  • 省人化を目的としたアームロボットを導入。機械メーカーとの協働によるカスタマイズにより、不向きとされた製造品目への導入に成功
製造ラインの監視システム、アームロボットの導入により生産性向上を実現

原料のそばの製粉から製麺、つゆ作り、包装までの一貫製造体制を確立している。約30年前の工場移転を機に、この体制を構築し、人の手を介さずに自動化された製造ラインを導入した。

しかし、長年の稼働により機械設備の老朽化が進み、製麺から包装までの各工程での不具合により稼働率が下がる問題が出始めた。この問題を解決するため、3~4年前にラインの更新を実施し、その後、麺の形成工程を中心に生産状況を監視するシステムを導入した。

さらに、省人化を目的として、3~4年前にロボットを導入した。具体的には、乾燥工程を経た麺を包装ラインに搬送する工程において、アームロボットが作業を担当している。このロボット導入により、生産性向上と、人件費削減を実現した。

自社の製造ラインにカスタマイズした機器・システムの導入、数値での可視化が成功の鍵

アームロボットの導入にあたって、特に半生麺の製造工程においては、アームで強く挟むと千切れることから、半生麺を優しく掴んで移動させることができるアームロボットを導入した。地元の機械メーカーが製造ラインに合わせたカスタム設計を行い、ロボットの動作を最適化することで、安定した稼働を実現した。また、導入に当たっては、ロボットの動作確認を事前に実施し、導入後の微調整を最小限に抑えることで、迅速な稼働開始を可能にした。また、アームロボットの導入によって、当該工程の無人化を実現した。

一方、ライン監視システムについては、既存のシステムでは同社のニーズを満たすことができず、新たなシステムの導入が必要となった。2~3年の検討期間を経て、機械の停止状況を可視化できるシステムを導入した。監視システムの導入により、機械停止の原因を記録することで、原因別に対策を講じることが可能となった。ロス率等の具体的な目標数値を設定し管理を行い、社員がこれらの情報を共有し、対策を講じることで製造コストの改善やロス率の低減につながった。具体的にはロス率が導入前の10%台から2~3%にまで大幅に削減した。さらに、機械の稼働率は、導入前の80%程度から95%へと大幅に向上した。

中小企業として、費用対効果の高い投資の見極めが重要

中小企業であるため大規模な設備投資は難しく、費用対効果の高い投資を行うことが重要である。現状、人手不足が大きな問題とはなっていないが、将来を見据え、機械化が可能な工程の検討を進める意向である。さらにITや設備関連等に精通した人材育成・確保も課題であり、経験者の中途採用にも力を入れている。

製麺工程