乳製品製造業[山梨県 ]
原料貯蔵タンクの増設や個包装機の更新など、工場への設備投資により生産性向上や働き方改革に効果
従業者の状況
生産関連の状況
[メンテを含む]
担当者
整備選任
担当:
!生産性向上におけるPoint
- 原料貯蔵タンクの増設により、アイドルタイム(従業員の待機時間)の削減と従業員の働き方改革に効果
- 個包装機の更新により、トラブル解消や製造スピード向上を実現
- 2つの取組により工場の稼働時間が短縮され、顧客への日次データの前倒し配信を実現
仕込ラインのアイドルタイム解消に向け、工場への設備投資を実施
同社の主力事業はアイスクリームのOEM(受託製造)事業で、地元産果実などを使用した高付加価値製品を少量多品種で製造している。
製造工程は①仕込(原料調合)、②充填、③包装の3工程に大別される。生産ラインは1ラインであり、②の充填が終了するまで、①の仕込に必要な原料貯蔵タンクが空くのを待つ必要があった。同社の場合、仕込に1時間、充填に3時間を要する。仕込ラインの従業員がアイスクリームの充填終了を待つアイドルタイムが近年の課題であった。
仕込ラインの従業員が待機時間中に他ラインのサポートをする体制を検討したものの、実現が難しかったことから、工場への設備投資による課題解決を図った。
原料貯蔵タンク増設がアイドルタイム削減、働き方改革に寄与
仕込ラインの原料貯蔵タンクを増設し、4台体制とすることで、充填作業中に他の原料貯蔵タンクでの仕込作業が可能になり、アイドルタイムが削減された。従来の仕込ラインは最長19時まで稼働していたが、現在は17時30分に終業し、働き方改革にもつながった。さらに、仕込から充填までの作業効率が向上したことで、ラインの停止時間が削減され、製造ライン全体の効率が向上した。
原料貯蔵タンクの増設の数年前にはモナカアイス用の個包装機を更新し、故障や不良品といったトラブルの解消や製造スピード向上に成功していた。原料貯蔵タンクの増設と個包装機の更新という2つの取組により、工場の稼働時間が短縮された結果、顧客(飲食店や土産物店など)に対して、製造実績などの日次データを以前より早い時間に配信可能となり、顧客満足度の向上につながった。


少量多品種製造のノウハウを可視化し、標準化・機械化することが必要。今後は従業員の多能工化も推進
同社は、中小食品製造業の特徴として、少量多品種製造という強みがある一方、機械化が課題とみている。顧客ニーズを丁寧にヒアリングした製品開発に強みを持つものの、多数の顧客から製造を受託するため、必然的に少量多品種製造となる。同社の強みを活かしつつ、機械化によって生産性向上を図り、年間の受注を見通した計画生産を実現したいと考えている。
また、製造部門にはパートタイマーのほか社員4人が所属しており、うち1人を2024~2025年にかけて多能工として育成していく考えだ。