水産食料品製造業[佐賀県]
手作業が多かった製造工程の機械化を推進。生産性向上や従業員の負担軽減、品質向上等に寄与
従業者の状況
生産関連の状況
[メンテを含む]
担当者
整備選任
担当:
!生産性向上におけるPoint
- 手作業が中心であったしゅうまい製造工程の機械化を推進。生産性向上と従業員の負担軽減に効果
2019年以降、製造工程の機械化を推進。手作業から機械製造へシフト
しゅうまいメーカーの同社は、手作業を中心に製造してきたが、機械化による生産性向上を目指し、必要な機械設備や導入時期の検討を行っており、2019年に九州の大手企業の子会社となって以降、製造工程の機械化を推進している。
急速冷却機の導入を皮切りに、スチーム蒸し器の増設や、カメラを用いた印字検査機(賞味期限等の印字に誤りや問題がないか検査する機械)、製函機等を導入した。直近では2024年4月、従来は一部手作業で行っていた成型工程に成型機を1台新規導入した。
製品を冷蔵から冷凍に変更。賞味期限の延長で商品管理が容易になり、業務の平準化を実現
機械化の取組の中で、最初に導入したのが急速冷却機である。従来は冷蔵品を中心に製造していたが、冷凍品にすることで消費期限を延ばして商品管理を容易にし、より計画的な製造体制を築く狙いがあった。
冷蔵品の賞味期限が10日前後であったのに対し、冷凍品は約5か月と大幅に伸びた。全ての製品を冷凍品に置き換えた結果、在庫管理が容易になり、繁忙期に合わせた作り置きも可能になり、年間を通した業務の平準化にもつながった。さらに、冷凍品は柔らかい冷蔵品に比べてトレー詰めがしやすいというメリットもある。
新たな成型機の導入で、効率化と品質向上を実現
新たな成型機の導入も成果を上げている。製造の効率化に加え、新製品に対応できる機械が必要になったことが導入のきっかけで、この成型機の製造能力は最大12,000粒/時となっている。これにより製造スピードが上がっただけでなく、しゅうまいの形状が以前より安定するという品質面のメリットも得られた。
ただし、フルスピード(12,000粒/時)で製造するとその後の蒸し・冷凍工程が詰まってしまうため、製造量の調整が必要である。
生産性と従業員の働きやすさが向上。今後は工場を集約し、さらなる効率化を目指す
機械化を進めた結果、製造量の増加や人員の削減につながったことから、生産性が大幅に向上するとともに、残業時間の削減や肉体的負担の軽減等、従業員の働きやすさも向上した。機械化以前は繁忙期に80時間/月以上の残業が発生する場合もあったが、現在は最大で30時間/月程度となり、平時は残業がほとんどなく、休暇も取得できる体制を実現した。
同社は第二工場でしゅうまいを成型前の状態まで加工し、第一工場に運び込んで最終加工している。皮の製造を第二工場でのみ行っていることや運搬の手間等もあるため、効率面で改善の余地があると考えている。そのため、将来的には工場を一か所に集約する計画である。2030年に新工場を建設することを目標としているため、今後は場所の選定や導入設備について検討を進めることとしている。