豆腐・油揚製造業[広島県]

幅広い機械メーカーとの協働により製造ラインの自動化を推進。大幅な生産性向上を実現

業種・食品種類
農産加工
効率化工程
生産工程, 梱包・運搬
効率化事例
前工程, 後工程, 機械・ロボット
売上規模
100~300億円未満

従業者の状況

従業者数
正社員・契約社員
パート・アルバイト
267名
311名
従業者の部門別構成比
製造部門
間接部門
その他
93.3%
4.5%
2.2%

生産関連の状況

 
生産量 / 稼働時間
生産量
200t/日
工場稼働時間
16時間/日
 
コスト構造 構成比
原材料費
51%
人件費
10%
減価償却費
10%
その他
39%
 
製造工程における設備・機械対応比率
製造工程[原材料投入から製品完成まで]
10工程
うち、設備・機械対応
7~8工程
設備・機械対応比率
70~80%
設備・機械担当人数
 
現状
5年前
設備・機械担当者計
[メンテを含む]
3~4人×3工場
3~4人×3工場
設備・機械メンテ
担当者
3~4人×3工場
3~4人×3工場
機械・設備導入・
整備選任
3~4人×3工場
3~4人×3工場
その他
担当:
-
-
!生産性向上におけるPoint
  • 設備の先行投資により、大幅な製造量増加と廃棄ロス削減による製造原価の低減を実現
  • 異業種向けの機械メーカー等と連携して、大幅な製造効率向上実現のための機械開発を推進。業界内外における幅広い情報収集により積極的な新技術の導入を実現
設備投資による製造産能力の向上、消費期限の延長による廃棄ロスの削減による製造原価の低減を実現

豆腐・油揚げメーカーである同社は2000年頃、消費期限の延長と衛生的な製造環境の確保を目的に設備投資を開始した。それ以降、先行投資を積極的に行い、製造能力の向上に取り組んだ。その結果、2000年に約2,000個/時であった豆腐製造量が、2019年の工場新設で約15,000個/時、本社工場の更新後は12,000個/時と、大幅に製造量を増加させた。

近年の設備投資としては、2018年に導入した油揚げ専用ラインが、約30,000枚/時を超える高い製造能力で、2024年秋には本社工場の厚揚げラインを1ライン増設し、製造能力を1.5倍に増強した。さらに、油揚げ専用ラインの設備更新により、手作業工程を自動化し、製造能力を3倍に引き上げた。

製造ラインの自動化による生産性向上や消費期限延長により、製造原価を低減し、主要取引先である食品スーパーの大型化が進む中、取引先に応じて求められる取引数量と価格で対応している。

製造効率の大幅向上を目指し、異業種向けの機械メーカーと連携

製造工程の10工程のうち、7~8工程は設備・機械対応を行っている。製造効率を大幅に上げるため、豆腐業界に特化した機械だけではなく、清涼飲料業界など異業種向けの機械メーカーと連携し、新たな機械開発に取り組んでいる。清涼飲料用の箱詰め機を導入したり、食品機械展示会や他社の工場見学を通じて得た情報を基に、積極的に新技術を導入したりしている。

設備投資には高度な工学知識が必要となるため、ヘッドハンティングで専門人材を積極的に採用している。一方、重要度の高い大型機器については、専門業者へのメンテナンス委託を拡大しており、各部門が得意とする分野に集中し、効率的な運用を実現している。

自動箱詰め機
課題の多い工程の機械化を進め、更なる生産性向上を目指す

現状、機械化が進んでいない工程としては、一部原料のタンクへの投入、原料や製品の搬送作業、検品作業、箱詰め作業などが挙げられる。特に、主要原料である大豆は、産地や収穫時期によって品質が異なるため、機械による一律の処理が難しい点が課題である。また、検品工程では、AIカメラやX線による検査の精度が十分でないため、人による目視検査が不可欠である。しかし、今後、部分的に機械を導入することで、人による検品作業の割合を減らす取組を進めていくこととしている。さらに、原材料の投入工程の自動化も進め、将来的に豆腐製造量を20,000個/時にまで高めることを目指す。