水産食料品製造業[宮崎県]

手作業で行っていた製袋・梱包工程を機械化し人員を削減。KPI(評価指標)を設定し人時生産性向上を着実に推進

業種・食品種類
水産加工
効率化工程
生産工程
効率化事例
後工程, 機械・ロボット, 人材育成
売上規模
10~30億円未満

従業者の状況

従業者数
正社員・契約社員
パート・アルバイト
60名
88名
従業者の部門別構成比
製造部門
間接部門
その他
80.0%
20.0%
-%

生産関連の状況

 
生産量 / 稼働時間
生産量
9t/日
工場稼働時間
8時間/日
 
コスト構造 構成比
原材料費
50%
人件費
22%
減価償却費
6%
その他
22%
 
製造工程における設備・機械対応比率
製造工程[原材料投入から製品完成まで]
5工程
うち、設備・機械対応
1工程
設備・機械対応比率
20.0%
設備・機械担当人数
 
現状
5年前
設備・機械担当者計
[メンテを含む]
15人
15人
設備・機械メンテ
担当者
2人
2人
機械・設備導入・
整備選任
2人
2人
その他
担当:
11人
11人
!生産性向上におけるPoint
  • 手作業で行っていた製袋工程・梱包工程を機械化することで、梱包工程の人員を削減
  • 製造ラインの人時生産性の向上を図るプロジェクトを展開。生産性向上と残業時間削減に効果
人手不足に対応するため、製造効率向上を最優先課題として取組を推進

同社は冷凍食品のOEM(他社からの受託生産)を中心に事業を展開している。製造ラインの人手確保が困難な中で、製造効率向上を最優先課題としている。

また、冷凍食品業界が円安に伴い海外生産から国内生産、輸出へシフトしていることもあり、同社も国内生産回帰の動きを捉えて設備投資を推進している。

製袋・梱包工程に機械を導入、梱包工程の人員を3人削減

2023年度~2024年度にかけて製袋・X線検査・梱包の一連の工程のライン化を推進している。従来は手作業で行っていた製袋工程にピロー包装機(筒状のフィルムで製品を包み、シールすることで包装する機械)、梱包工程に自動製函機(自動で段ボールを組み立てる機械)を導入した。これにより梱包工程の人員を2023年度の7人から2024年度には4人に削減した。

人時生産性の向上へプロジェクトを展開、数年以内に週休3日の実現目指す

2024年度から製造ライン全体における人時生産性の向上を図るプロジェクトを展開している。KPI(評価指標)を設定して取組を進めた結果、2023年度実績の1時間当たり9.02㎏/人から2024年度は9.12㎏/人まで向上した。2030年度までには9.20㎏/人を目指す。この他、工場スタッフの残業時間が前年同月比で約1割減少した(2024年10月単月)。

人手不足が継続し働き方改革への取組が求められる中、同社は今後数年以内に月に1度の週休三日を実現する意向で、そのためにも人時生産性の向上が重要と考えている。

今後はペーパーレス化を推進、紙帳票の保管スペースを有効活用

来期はペーパーレス化の促進に取り組む計画で、現在、委託先のITベンダーを選定中である。ISOやHACCPといった認証を取得済の食品製造事業者は多数の紙帳票を作成、保管しているが、デジタル化することで保管スペースを別用途に有効活用することを目指している。