調味料製造業[香川県]
製販分業していた2社の機能を統合し、経営の合理化を実現。さらに受注~発送業務のシステム化を進め、合理化・効率化を実現
従業者の状況
生産関連の状況
[メンテを含む]
担当者
整備選任
担当:
!生産性向上におけるPoint
- 事業発展に向け、製販分業していた2社の機能を統合し、経営の合理化を実現
- OEM委託で設備投資リスクを回避しつつ、新製品を発売して販売拡大
- 受注~発送業務を根本から見直し、システム化を進め、合理化・効率化を実現
- 社員の改善活動や合理化・効率化のプロジェクトが会社の文化として浸透しており、日常的に生産性向上の取組を実施
製造会社と販売会社を統合し、営業部門や管理部門を一本化
生活者の購買行動の変化・調理機会が減少する中、生活者の求めるものをしっかりと形にし、事業を発展するために、これまで製造会社と販売会社の2社に分けていた機能の統合を実施した。
統合前は双方にあった管理部門と営業部門だが、統合によって情報共有のスピードが上がり、業務の重複や無駄を省くことができ、スリム化・効率化が実現できた。
また、販売部門・開発部門・製造部門・管理部門の拠点を一ヶ所に集約したことで、コミュニケーションが円滑になり、別部門への社員の関心・理解も高まった。
なお、これまで2ヶ所の工場が独立して運営されていたが、数年前から垣根を越えて定期的に人材をローテーションするなどの改善にも取り組んでいる。
OEM委託で設備投資リスクを回避しつつ、新製品を発売して販売拡大
醤油・調味料メーカーである同社は、液体調味料の製造設備のみを保有しているが、新規事業については、製造委託を通じて売上拡大と効率化を両立している。
料理をあまりしない人にも販売機会を広げるため、調味料以外の形態の製品を検討し、2024年、同社の醤油を使用したレトルトパウチ入り惣菜を発売した。製造を他社に委託することで、設備投資に伴うリスクを回避しつつ、製造体制の効率化を図った。
レトルト惣菜は簡便性が評価され、順調に販売額を伸ばしている。2024年度の売上高は9,000万円を見込んでおり、2030年までに同社の販売額の1割程度を占める4億円規模の達成を目指している。また、これまで液体調味料のみを販売していたが、レトルト惣菜の発売により商品提案の幅を広げることができた。一方、自社製造ではないため、低い粗利率やロット数、リードタイムが課題となることから、出荷予測の精度向上や、委託先を増やして競争を促進することも検討していくこととしている。
受注~発送業務を根本から見直し、システム化を進め、合理化・効率化を実現。 社員の改善活動や合理化・効率化のプロジェクトが会社の文化として浸透しており、生産性向上の取組を実施
同社は、全社員に年間2件の業務改善提案を課しているが、優れた改善案に対しては表彰する制度を設けており、小さな改善から何百万円ものコスト削減を実現するような提案まで、多様な提案が行われている。直近では、通販の受注から出荷までの処理を、システム導入により従来の7工程から4工程に削減したことで、受注~出荷の作業時間の短縮と人件費を削減した。