農産加工品製造業[兵庫県]

基幹システムの更新や独自開発による機械の導入、自動化設備の導入など、生産性向上へ多様な取組を実施

業種・食品種類
農産加工
効率化工程
その他
効率化事例
前工程, DX・IoT
売上規模
50~100億円未満

従業者の状況

従業者数
正社員・契約社員
パート・アルバイト
120名
110名
従業者の部門別構成比
製造部門
間接部門
その他
60.0%
10.0%
30.0%

生産関連の状況

 
生産量 / 稼働時間
生産量
90,000個/日
工場稼働時間
7.45時間/日
 
コスト構造 構成比
原材料費
80%
人件費
15%
減価償却費
1%
その他
4%
 
製造工程における設備・機械対応比率
製造工程[原材料投入から製品完成まで]
6工程
うち、設備・機械対応
5工程
設備・機械対応比率
83.3%
設備・機械担当人数
 
現状
5年前
設備・機械担当者計
[メンテを含む]
3人
3人
設備・機械メンテ
担当者
2人
2人
機械・設備導入・
整備選任
1人
1人
その他
担当:
-
-
!生産性向上におけるPoint
  • 基幹システムの更新プロジェクトを推進し、工程管理の効率化も検討
  • 独自開発のロボット選別機により、原料への異物混入率が低下
  • 作業負荷の高い缶詰製造を自動化、品質管理も自動化しリスクを抑制
原材料価格の高騰に対し、システム更新や自動化などにより生産性向上を目指す

同社はナッツやドライフルーツ類の製造販売事業者で、①自社ブランドの製造販売、②菓子メーカーなどへの半製品・完成品の製造販売、③他社特注品の製造販売を行っている。ナッツ原材料の価格が高騰するなか、製品への価格転嫁は進まず、差別化が困難なことなどから価格競争も激化しており、自助努力によるコスト削減と経営効率化を迫られている。

同社では、生産性を向上するため、基幹システムの更新や独自開発による機械の導入、自動化設備の導入などに取り組んでいる。

基幹システムの問題により業務遂行に課題。全社的な視点で新システム導入・業務改善を目指す

現行の基幹システムでは、原材料調達から製造、出荷に至るプロセスや情報管理において不具合が発生するとともに、稼働から5年以上が経過し、ビジネス環境や業務フローとの適合性が低下したことも課題となっていた。

このため、新基幹システム導入のプロジェクトチームを組織し、活動を開始した。若手社員を中心に多様な部門の社員を登用し、全社的な視点でシステム導入を推進するとともに、業務改善の実現を目指している。

現在、基幹システムや需要予測システムの導入を進めており、約1年後の本格運用を目指している。詳細設計や運用方法については、本格運用までの期間に厳密な検討と精査を行う予定である。現在はハンディ端末によるバーコード読取システムを活用し、複雑な工程管理を行っているが、新たな基幹システムにより、生産データの統合的管理と工程間連携の自動化も検討している。

独自開発のロボット選別機により、原料選別の精度が向上

ナッツ加工においては、原料の選別工程(不良品の除去)が極めて重要なことから、社内技術者とメーカーの共同開発によるロボット選別機(特許取得済)を導入した。手作業による選別では異物混入率が約10%に達していたが、導入後は数%以下まで低下した。

完全な異物除去は難しく、最終的な品質管理工程においては依然として目視検査を行っているが、今後は選別システムの高度化や、選別工程の効率化につながる装置導入が必要となっている。

作業負荷の高い缶詰製造を自動化、品質管理も機械化しリスクを抑制

重量が大きいナッツ缶詰(700~800g)の製造を自動化した。作業負荷の軽減と製造効率の最適化を図るため、専用アームによる搬送システムを導入している。品質管理では、金属探知システムを導入し異物混入リスクを最小限に抑制するとともに、製品の印字をカメラにより自動監視するシステムも採用し、ラベリング工程におけるヒューマンエラーを防止している。

さらなる自動化の推進へ、製造スペースを有効に活用

自動化をさらに推進するためには、限られた製造エリアを効率的に活用する必要があることから、工場新設ではなく、既存工場内の空きスペースや隣接する物流センターの未使用区画などを活用した設備導入の可能性を検討している。