株式会社エイシスは、二次元コンテンツの魅力を創造、発信する事業者。ASMR市場の拡大に貢献するアプリ「ZOWA」、ASMR動画をとおしてその地の魅力を全国に発信していく地域応援プロジェクト「EMOCAL」をリリースし、「音」X「事業創造」、「音」X「地域」という「X」（＝掛け算）を産み出している！

「KIPz」は、イベント主催者・アーティストからの強い要望で生まれた、とにかく操作が簡単な有料ライブ配信のための支援システム・サービスである。チケット購入手続きが明快で、ライブ配信を盛り上げる演出機能（投げ銭・コメント・グッズ販売・フラワーエール等）も多数用意されている。手間のかかる登録手続きはKIPzが代行、イベント本番中の配信サポートも行い、手数料も安く抑えられていることも特徴となっている。配信会場にお祝いの花を届けるサービス「フラワーエール」は、コロナ禍で打撃を受けた生花業者救済も兼ねており、その売上の一部は医療従事者への寄付されている。誰でも簡単操作で「演者」と「ファン」がすぐに結びつく、「X」（＝掛け算）を産み出す「Xビジネス」である！

大田区で創業70年以上の実績と技術力を誇る電化皮膜工業の廣門専務にお話を伺った。表面加工処理（めっき）を得意とする下町ボブスレープロジェクトにも参加されている大田区を、いや日本を代表する「ものづくり企業」だ。東京都大田区や東大阪、諏訪湖周辺、浜松を始めとする日本の産業集積地域から多くの中小零細企業が姿を消しつつある今日、一言に「技術力を誇る」と言って、70年以上も「生き残る」ましてや「進化を続ける」ことは並大抵のことではない。廣門専務との話を伺っていくうちに、電化皮膜工業の「強み＝X」は、技術力ではなく、人材力だと気づく。職人の誉れとなる黄綬褒章や現代の名工、マイスター等が沢山いても、後に続く若手を育てて、どの従業員でも確実にできるようにしてこその「技術力」である。技術を磨き、伝え、受け継ぐ職人が誇りを持って働く「場」を丁寧に丁寧に作ってきたことが電化皮膜工業、最大の強みである。技術の研磨に拘泥しつつ、常に高みを目指し、明るい未来を展望し続ける企業の魅力＝「磁場」に人材は魅了され、育成され、事業拡張可能な「技術の伝承」が起こり、やがて誰も真似のできない企業としての実績と歴史が残る。同時に廣門専務は、外部とのネットワーク作りに余念がない。下請け（下流）事業から、より上流でのパートナーとの共同研究開発、新たな商流から生まれる、ダイナミックな事業機会を自らが創造しようとする貪欲さである。まさにX（パートナリング）によってこそX（技術価値の乗数効果）の生まれるX（秀でた技術）をXプロジェクトも微力ながら応援したい。

日本のマンガ、サブカルチャーの「祖」となる存在、それは・・・手塚治虫よりも200年前に誕生している葛飾北斎だ！究極のクールジャパンコンテンツである葛飾北斎の生誕260周年事業として、生誕地の墨田区で新たな北斎を発掘する（＝「X」を見出す）事業が始動！出でよ、新たな北斎！（＝出でよ「X」！）

「イノベーションの民主化」をコンセプトに、成約率の高い営業社員や顧客満足度の高いコールオペレーター等のトップパフォーマーの非構造化データ（電話対応、会話等）を蓄積、解析し、社内での共有化を実現するソリューション「pacteraX(パクテラクロス)」を提供している。スキル、ナレッジをクロス（＝X）させ、課題を解決するテクノロジーはまさにeXcellentなXbusinessである。

株式会社スマートドライブは「移動の進化を後押しする」ことを掲げて、独自のMobility Data Platformサービスを提供している事業者である。これは、センサーデバイスなどから取得できる車両走行データを始めとした各種データを利活用して、様々なモビリティサービスに活かすことができるものであり、既存のシステムへの組み込みや、将来構築する技術やサービスへのデータ活用を可能としている。ドライバーの安全、車両管理の合理化に用いられるだけでなく、スマートシティー構想の実現、店舗のポイントサービスとの連携を始めとした、新たなビジネスの創造にも貢献している。「様々な事業者が持つ技術・サービス」 X 「スマートドライブ」＝　「新たなビジネス」という掛け算はまさにXビジネス！

「LIMITS」は、20分という制約の中で、デジタルアートのプロがアイデア、スピード、テクニックを競う、eXcitingな競技型デジタルアート。本来「自由」な表現の場である筈のアートの世界に、敢えて「LIMITS」=「制約」を課し、それを競技に昇華させ、世界的な興行に発展させている！まさにeXcellentビジネスである。

株式会社スポルアップは、スポーツの練習記事と動画に特化した日本唯一のスポーツトレーニングに特化したサイト「Spollup」の運営事業者である。野球経験者のキャプテン山本（同社代表）が、その経験を活かし、様々な競技のスポーツ指導者をサポートするトレーニングコンテンツを制作、公開している。サイトの運営を通じて得たノウハウ、蓄積されたデータを元に、企業のWeb戦略支援、Eコマース構築支援をビジネスとしている。キャプテン山本のスポーツスピリッツが、「スポーツ」X「EC」という「X」（＝掛け算）を産み出している！

参加、支援型フリーマガジン「ひとりとひとり」は、「おひとりさま」業界に特化した日本初のフリーペーパーで、「ひとりの時間を楽しむ」「終活を考える」等のテーマで、様々な活動や情報を発信する「おひとりさまメディア」となっている。「おひとりさま」をひとつの業界として捉え、業界専門メディアとして社会課題の解決にチャレンジする動きは、まさにeXcellentである。

森氏は、かつて大手自動車メーカーのエンジニアとして産業用ロボットを活用した生産工程の自動化、効率化のプロジェクトに関わってきた。そこで培った経験と知識が、ある問題意識に紐づき「X」に結実する。ある問題意識とは、日本が抱える少子高齢化、これに伴う生産年齢人口の減少に対し「より即効性のある労働生産効率改善策を提案できないか」だった。人間の労働がマニュアルワーク（標準化できる仕事）とクリエイティブワーク（標準化の難しい創造的な仕事）に二分できるならば、前者を可能な限りロボットで代替できないか。マニュアルワークの支援ロボットよって人間はよりクリエイティブな労働に集中できる。最初に森氏が目をつけたのは調理の現場、具体的には「クレープ屋さん」だ。クレープ生地焼きロボット「Q」は、森氏自身がクレープ販売店での仕事の経験を通じてたどり着いた協働ロボットだ。「薄皮でふんわりパリパリ生地」を作り上げるロボットの動きは、シンプルなようでいて、実に繊細で、極めて複雑な調整によって実現されている。「クレープ生地焼きロボットも一つのステップです。これからは厨房、介護、医療、その他の重労働現場などに導入できるロボット開発に向けたエンジニアリングに注力して行きたい」と森氏は語る。「数多とある産業用ロボットメーカーとの違いは？」の質問に対し、森氏は「大規模工場というより、より小さな工場や町工場、少人数で多くの業務をこなさなければならない労働の現場のニーズにフォーカス、きめ細かい要望の『ロボット化』の実現を支援するのがモリロボのロボットエンジニアリングです」と答えた。モリロボの技術、なによりそのビジョンはまさに「X」である。

「SPOBY」は歩数をカウントするヘルスケアアプリ。ユーザーはアプリをダウンロードするだけ。設定された歩数等の条件を満たすことで、スポンサー企業から商品、サービス等の特典が得られる仕組みとなっている。企業にとっては、効率良く健康意識の高いユーザーを囲い込むツールとなり、ユーザーにとっては健康と特典が手に入る、という、健康のエコシステムを創り上げている点が秀逸（eXcellent）である。

元リクルートで最優秀営業賞を授与された経験を持つ敏腕営業ウーマンだった武川しのぶさんが代表を務める全く新しい旅行会社が「世界仮想旅行社」である。UNWTO（国連世界観光機関）によると、2020年上半期の世界の旅行者数は、前年同期比でマイナス65.3％、2020年1月から6月の半年で、世界の旅行者数は4億4000万人減少し、国際観光収入は4600億ドル（約48兆5700億円）の損失となった。これは2005年の世界金融危機の5倍以上の損失だという。ギリシャで生まれ育った武川さんは、この有事にあっても、サントリーニ島やプラカの美しい町並み散策を楽しんで頂く方法はないかと考えた。ギリシャ生まれ、国際基督教大学出身の武川さんは持ち前のグローバルな人脈を駆使し、世界各地に点在する友人、知人をネットワーク、彼、彼女に現地の素晴らしさをオンラインで紹介、時にライブでツアーガイドを務めてもらい、コロナ禍にあっても世界旅行が可能なインターラクティブプラットフォームを構築した。今日はギリシャ、来週はモロッコ・・・ツアーが開催される度に多くの仮想旅行客がプラットフォームに押し寄せる。2019年のレベルに戻るには2年半（2023年半ば）から4年（2024年末）かかると予想される観光業界だが、武川さんの試みは有事における旅行の「オンライン代替案」に留まらず、潜在的旅行客からの絶大な信頼獲得、さらなる海外旅行の需要喚起、なによりデータベース（潜在顧客データベースと、きめ細やかな海外旅行・観光ニーズ）を握ることになる。観光業界が戻る頃にはとてもつもないアドバンテージを得られそうだ。リアルでしか体験できないと思われていた旅行にオンラインをかけ合わせ（X)、新たな「旅行の形」を模索する武川さんの試みはまさに「X」と言える。有事であるからこそ生まれたイノベーションとビジネスチャンス、その構想力と実行力を称賛したい。

「イノベーションは、システムではなく、人であり組織が産むものである」と山原氏は語る。かつては日本を代表するイノベーションエンジンだったソニーに24年あまり勤め上げたからこその彼の言葉には重みとリアリティーがある。人間はそもそもイノべーティブな生き物である。社員一人ひとりが「もっと自由に、イノベーティブであろう」と動機づけし、イノベーションのシード（ネタやタネ）を吸い上げ、具現化を支援するのは人であり、人の束、つまり組織である。またイノベーションには失敗が伴う。「失敗を許容し、次なるチャレンジの場を与える組織、企業の風土が必要である」と山原氏は指摘する。かつてのソニーのように様々な「イノベーション＝X」が次々に溢れ出ては世界をあっと言わせる日本企業を作るため、山原氏は、日々、徹底して「人」と「組織」に向き合うコーチングを行っている。そんな彼の想いと試みこそ「X」である。

代表の澤氏は、自らが代表を努めたデータセクションを2014年東証マザーズ上場へと導いた。その後多くのベンチャー企業の支援をしつつ、満を持して創業したのがエステートテクノロジーズである。データセクションをベンチャー企業から上場企業へと育てあげ、培ってきた人工知能への造詣、事業構想・実現力、優秀な人材とのネットワーク、積極果敢なアライアンス実現力、大胆なグロース戦略・・・まさにXを象徴する事業家である。氏が創業したエステートテクノロジーズは、ビッグデータ、マシンラーニング技術を得意とするトップAIエンジニアの集団である。同時に、その社名の表すとおり「不動産業界」における売り手、買い手の「不安、不信、不満、不合理」を取り除くソリューションベンダーである。「不動産テック」の文脈から台頭するテクノロジーベンダーとの大きな違いは、徹底した業界現場との密着、連携である。澤氏は、多くの不動産事業者を足で周り、志を共有する不動産事業者との積極連携を勧めている。「人工知能を活用し、業界の『不』を徹底排除し、まだまだ伸びしろのある日本の不動産業界の発展に貢献したい」と澤氏は語る。人工知能で（まずは不動産）業界に変革を起こそうとする澤氏、そして澤氏率いるトップエンジニアのチームの今後に目を離せない。

高野社長は、まさに日本と中国の掛け算「X」を最大値まで高め、圧倒的強みに変えてきた人物だ。中国生まれ、横浜育ち。日本の大手電機メーカーに就職後、中国駐在員を務める。後に、中国でLED事業を展開するADAYOの電源装置の存在を知り、販売代理店として起業。さらには屋外照明に特化したLED照明の開発・生産を手がける中国企業、HPWINNERに出合い、両社の製品を扱うべく2015年にHPWINNER の日本法人としてNHPソリューション（株）を設立した。 現在は、独自の海外ネットワークとフットワーク、目利き、大手日本企業を圧倒する交渉力を武器にした技術調達、商社事業をベースに、複数の技術や製品（プロダクト）を組み合わせ、新たな上位製品やサービスをアジャイルに生み出す「プロジェクト」エンジニアリングによって不動のニッチナンバーワンの位置を築いておられる。そのスピード感とダイナミズムは、高野社長の穏やかな語り口からはおよそ想像できないほどだ。今や大田区を代表するエクセレント・カンパニーの一翼を担う「爆進」企業である。 取材中、実に様々な先進技術、製品、サービスをご紹介頂いたが、特に目を引いたのはデジタルボード。世には数多と「電子黒板」なるものはあるが、豊富な機能、機能品質、拡張性、価格、どれをとっても従来の「電子黒板」とは一線も二線も画す、いわゆる次世代型デジタルボードだ。ますます「リモート」が進む今日、ユースケースの幅もさらに広がることだろう。

この20年で、国際教育、科学技術などにフォーカスする「エッジの効いた」新興教育事業者が多く立ち上がり、同時にそうした「新しい教育」の需要、支援の手も増えている。時代の要請に答えうる教育改革の必要性に気づき、志の高い事業家等自らが投資し、教育機関を設立するケースも多い。 野村氏が代表を務めるManaiもその一例だ。「教える」ではなく「学びへの拘泥を刺激する」あらゆる工夫は実に「X」であり、子どもたちの潜在能力、学びへの欲求を容赦なく引き出す。動画をご覧頂いたとおり、高等数学、物理、化学のプログラムにアテンド（参加）ではなく、エンゲージ（関与／没入）する子供達の熱量には圧倒される。 「教育は投資である」は、本人はもちろん、保護者、企業、そして国にとっても正解ではありつつも、それぞれの当事者がリターンを得るまでの時間軸は長い。この長い長い孵化期に「積極的にエンゲージ（関与）できているか」が国の力とも言える。Manaiのプログラムに参加する子どもたちと同じ目の輝きを持って、国や企業、そして筆者自身もこれらの試みに積極的にエンゲージできているだろうか。 生徒と教育者、教育行政の間に閉じ込められず、産官はもちろん、優秀な民（たみ）とのダイナミックな連携、相関（X）を促進する「次世代型教育」のプロトタイピングはまだ始まったばかりだ。矢野経済研究所Xプロジェクトは、Xな教育を積極的に支援したいと思う。Manaiの取り組みに興味関心のある企業からの積極的御支援をお待ちしています。