「『#クリスマスおもちゃ』トレンド発表会」に潜入取材 | Xビジネス

　12月2日に東京都立産業貿易センター浜松町館で開催された「『＃クリスマスおもちゃ』トレンド発表会」に潜入。玩具業界の最重要商戦であるクリスマスに向けた各玩具メーカーの注力商品を視察してきた。

　「『＃クリスマスおもちゃ』トレンド発表会」は、一般社団法人日本玩具協会と東京玩具人形協同組合が主催するプレス向け発表会である。玩具業界は毎年6月に「東京おもちゃショー」、9月に「クリスマスおもちゃ見本市」という国内最大級のおもちゃ見本市を開催しているが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により2年連続中止となったため、昨年に続き「トレンド発表会」というかたちで行われた。

　まず、日本玩具協会より2021年の玩具市場動向についての発表があり、市場規模は新型コロナウイルス感染拡大の影響による「巣ごもり需要」などにより市場回復した2020年度並みに推移しているとのこと。
　玩日本玩具協会が発表している日本国内の玩具市場規模（小売金額ベース）は、「妖怪ウォッチ」「アナと雪の女王」のヒットで10年ぶりに市場規模8,000億円を超えた2014年度以降、7年連続8,000億円を超える規模を維持している。
　2021年度も2年連続のコロナ禍で緊急事態宣言の発出などにより、従来通りのビジネスができなかった販売店も多かったが、ターゲット年齢の拡大と現在のトレンドや消費者のニーズに合った商品開発により、少子化トレンドの中でも需要拡大につなげているとのことであった。

　次に、年間売上の3～4割を占めると言われる「クリスマス商戦」に向けた各玩具メーカーの注力商品が展示され、各担当者に商品の魅力などをヒアリングさせていただいた。
　展示スペースには、今年も「おもちゃ屋が選んだクリスマスおもちゃ2021」の投票結果による各部門上位に選ばれたおもちゃのほか、昨年に続き人気が高い「鬼滅の刃」と「すみっコぐらし」の2大キャラクター専用エリアも設けられていた。
　その他、コロナ禍に対応した「（感染防止に気をつけながら）おしゃれしておでかけ」「イエナカ＋キャラクター」や、「DIY」「インタラクティブペット」「新感覚トイ」といった新しいトレンドテーマも設けられていた。

　DIYスペースでは、乳幼児玩具メーカー「ピープル」のガールズDIYトイ「ねじハピメガDIYセット（税込6,050円）」が展示。同商品は、本物そっくりな電動ドライバーを使ってかわいくDIYでき、キラキラのねじやペイントローラーでかわいくデコレーションしながらおうち型シェルフが作れるおもちゃで女の子向けに提案されているが、担当者に話を聞くと、ユーザーの男女比はほぼ半々だという。
　現在人気の「すみっコぐらし」が男の子にも人気があるように、近年は男の子でも「かわいい」おもちゃを好む傾向があるようである。以前、同じようなDIY系で男の子向けの「かっこいい」仕様やデザインを施したおもちゃも発売したが、売れ行きは良くなかったようだ。

　この他にも今回は「ジェンダーレス」なおもちゃが多く提案されていた。これまでは、男の子向けは「ヒーローもの」や「乗り物」、女の子向けは「ままごと」や「おしゃれ」というように分類して企画することが定番であったが、最近はそのような固定概念は徐々に薄れており、大手玩具量販店でも性別で売り場を分けず、ひとりひとりが興味あるおもちゃを自由に選べるような配慮がされている。
　子供の数が少なくなっている中、ジェンダーの枠に捉われないおもちゃが増えていけば自然と子供の選択肢も増え、潜在ニーズが高まることが予想される。今後は「ジェンダーレス」「多様性」が市場拡大の活性化につながるポイントの一つになってくるのではないだろうか。

片岡一豊

2021/12/08
「『#クリスマスおもちゃ』トレンド発表会」に潜入取材

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