ミリタリー(トイガン、サバイバルゲーム)市場の定義

①トイガン

外観を実銃に似せた玩具銃(トイガン)の中でも、エアソフトガンとモデルガンの2種類を扱い、市場規模として算出している。2種類の違いは、弾(BB弾)の発射可否である。また、カスタムパーツや弾丸は市場規模に含めていない。所持許可を必要とする狩猟用、スポーツ射撃用の「空気銃」も含めていない。ミリタリーファッション、グッズ等の装飾品も除外している。

②サバイバルゲーム

本項では、近年急速に普及しているサバイバルゲーム(以下、サバゲー)市場について取り扱う。常設のフィールドが用意されており、そこでサバゲーを遊ぶことができることを前提とし、仮設フィールドでの市場については、市場規模として含めないこととする。
 

ミリタリー(トイガン、サバイバルゲーム)市場の客層

2016年9月に矢野経済研究所が実施した消費者アンケート)より、「ミリタリーオタク」を自認する消費者は日本国内に約79万人と推計。年代は19歳以下:15.6%、20代:22.2%、30代:11.1%、40代:22.2%、50代:17.8%、60代:11.1%。全世代に一定程度の「ミリタリーオタク」が存在している結果となった。男女比は87.8%:12.2%。「ミリタリーオタク」の8割程度が男性ということで、軍事、ミリタリーファッション等に「男らしさ」や「強さ」に魅力を感じる男性が多いものと推察される。また、今年度より新たに調査項目として加えたオタク歴については1年未満が27.8%と最も多い。一方、30年以上が20.0%と初心者とベテランに2極化する構造となっており、平均は13.4年。
 

ミリタリー(トイガン、サバイバルゲーム)市場の客単価

「ミリタリーオタク」を自認する層が「ミリタリー」にかける金額は平均で年間24,178。0円が46.7%と最も多く、1~5万円未満が21.1%と続く。

ミリタリー(トイガン、サバイバルゲーム)市場の構造

①トイガン

トイガンは、a)構造、b)形状、c)対象年齢で大きく分類することができる。

a)構造による分類:

エアソフトガンを構造で大きく分類すると、弾丸を発射する構造を持たない「モデルガン」、弾丸を発射する構造を持つ「エアソフトガン」に大別される。更に「エアソフトガン」は、銃身内のポンプに空気を取り込んで圧縮し、圧縮した空気の力で弾丸を発射する「エアコッキングガン」と、高圧の難燃性ガスを使用して弾丸を発射する「ガスガン」に分けられる。更に、空気の圧縮を電動で行うエアコッキングガンは一般に「電動エアガン」あるいは「電動ガン」と称される。
現在、市場に流通しているトイガンはエアソフトガンが主流となっており、全体市場の80~90%を占めているのではないかと推察される。

b)形状による分類:

トイガンを形状で分類すると、拳銃(比較的小型・低威力な銃器)を模した「ハンドガン」と、ライフル(小銃/銃身が長めの銃器)やサブマシンガン(短機関銃)を模した「長物(ながもの)」に大別される。

c)対象年齢による分類:

エアソフトガンは、「10才以上用」と「18才以上用」があり、「18才以上用」は出力が0.98ジュール以下であるのに対し、「10才以上用」は各都道府県の「青少年育成条例」で定められている出力(東京都の場合は0.135ジュール以下)に設定されている。
概して「10才以上用」は単価が低く、また、先述の通りユーザーの大半は20代以上であり、高性能で緻密な作りのものを求める傾向が強いため、市場を構成しているトイガンの大半は「18才以上用」となっている。しかしながら、子供の頃からトイガンに親しんでもらい、ユーザー人口を拡大する狙い等から、「10才以上用」にも注力している事業者も存在する。
 
参入メーカーは、全部で10社程度と推定されるが、㈱東京マルイが圧倒的なシェアを誇り、エアガン市場全体の80%以上を占めているものと推察される。その他、㈱ウエスタンアームズ、マルシン工業㈱、㈱クラウンモデル、㈱ケーエスシーらが事業を展開している。近年、インターネットによる通信販売や秋葉原界隈等では、海外製(中国、台湾)のエアソフトガンも国内に流通しているとみられるが、特にインターネットを通じ海外から日本国内へ直接ユーザーに販売していることから、その全体像を把握することは極めて難しい。

②サバイバルゲーム

2016年10月現在、日本国内には約190施設のサバゲーフィールドが存在していると推定される。エリア別でみてみると、関東が半数を占め、そのまた半数を千葉県が占めるという構造である。
 
 

ミリタリー(トイガン、サバイバルゲーム)市場のトレンド・トピックス

●サバゲー市場拡大に向けて新規層の取り込みが重要に

これまでは郊外の広い土地、山や森、河川敷等にフィールドが設けられること主流であったサバゲーであるが、2013年9月に設立された合同会社アソビバ(2014年5月に株式会社ASOBIBAへ組織変更を実施)は、2013年10月に東京駅八重洲口から徒歩3分の雑居ビルにインドアサバゲーフィールドを設立(運営は2013年12月で終了)し、気軽に楽しめる遊びの一つとして業界に一石を投じた。
同社の見解では、昨年に引き続き市場全体の広がりは、遊びに来る初心者の割合が増加していることから実感しており、また都心にサバゲーフィールドを構え手ぶらでも遊ぶことが出来るため、初心者層(男性層だけではなく、女性層も目立つ)が増加している、としている。その一方では、アーリーアダプターと言われる層までサバゲーを経験した、と同社では分析しており、今後はその次に続く層の取り込みが必要になってくるものと考えている。
ここ数年は順調に拡大してきたサバゲー市場であるが、今後さらに拡大してゆくため岐路に立たされている状況だとも言える。
 

ミリタリー(トイガン、サバイバルゲーム)市場規模

①トイガン

矢野経済研究所推計では、2015年度トイガンの市場規模(国内メーカー出荷額ベース)は67億円と算出された。サバイバルゲームブームの影響により、市場規模は堅調な推移となっている。2016年度も堅調に推移していると推察されることから、前年度比1.5%増の68億円と予測する。

②サバイバルゲーム

2016年8月現在、日本全国に187施設(前年比+19施設)のサバゲーフィールドが存在するものと推定され、施設数は拡大しているものの、サバゲーに関心を持つ層のほとんどが一度は遊んだ経験を持つ段階にまできている。今後はそのリピート需要と新規層の開拓次第となる。
以上より、矢野経済研究所推計では、2015年度サバイバルゲームの市場規模(ユーザー消費金額ベース)は、前年度比6.4%増の83億円と算出された。2016年度に関しても拡大するものと推定されるものの、伸長率は若干鈍化するものと推測されることから、市場規模は同3.6%増の86億円と予測する。
 
 

本稿の詳細データについては、下記調査レポートよりご入手いただけます。