1.ペチもとペチろーって、誰?

「ペチもとペチろー」。これが本稿の主役の名前である。国籍はたぶん日本、生まれは九州の福岡。彼は一部のマニアックなユーザーと、特に一部の釣り人の間での知名度を持つ。

ご紹介しよう、彼が「ペチもとペチろー」である。


画像はペチもとペチろー公式サイトより引用

 

ペチもと君、こちらに来てご挨拶を。

画像はペチもとペチろー公式サイトより引用

 

ゴムじゃねーか!!

はい、彼はゴム素材なのです。

 

その生い立ちはかなり特殊である。彼はもともと、電柱に設置される配電機器に使用されるプラスチック部品として誕生する予定であった。ところがそこに降ってきたのが会社の「計画変更」。部品として日の目を見ることもなく、彼の母体である金型もお蔵入りに。
そして月日は流れ、ある従業員がこの金型にゴム素材を流し込んでみることに。同時に手足(らしきもの)とネクタイまで装着され、彼は新入社員として世に出ることとなった。。

という壮大な(?)ストーリーを背負って世に出た製品が「ペチもとペチろー」なのである。はじめてこの製品、いや彼のことを知ったときには「大丈夫かこの会社」と思ってしまった。と同時に、「カネと手間ひまをかけてふざける」という、筆者が勝手に持っている部長非公認のXビジネス裏コンセプトにも通ずるこの製品に、とてつもない魅力を感じてしまったのも事実である。なにしろ、普通の企業製品は、綿密なマーケティングのもとに世にリリースされるのが常識であるなか、彼「ペチもとペチろー」は「とりあえず作ってみました。役に立つかはわかりません。使い方は購入した皆さんが決めてください」という、まるで新入社員教育を放棄されたような、「彼が存在することを前提に世の中を振り回す」という、存在自体が大喜利のような製品なのである。

 

2.誰か止めてください


だが、「役に立たない子ほどかわいい」のか、彼を世に出した株式会社KNKの「ペチもとプロジェクト」では、彼の「伸びる」「くっつく」「目立つ」「曲がる」などの特性を駆使した活躍方法を「お題」としていろいろと紹介している。「お題」。そう、やはり彼の存在は「大喜利」なのである。

お題の一例
・ふせん(けっしてふせんののりでくっついているわけではありません・・・)
・滑り止め(スマホや小物もピタッと止まる!大事な持ち物をペチろーがしっかりと支えます!車のダッシュボードにも最適!※ただし、あまりに急斜面だと落下の可能性があります。)
・目じるし(間違えやすい傘などに付けておくことで、すぐにわかる目じるしに!!様々な場所で使えます!)
・飲んだ量チェック(飲む前にボトルに貼っておけば今日飲んだ量がわかる!「いや、そんな飲んでないよ?」なんて言い訳はもうできません…)
・袋の口縛り(開けた袋の口を閉じるときの輪ゴムがわりとして最適!ペチもとペチろーが、中身を湿気から守ります!)

ネタ元:ペチもとペチろー公式サイト

 

ということで猟奇的な好奇心を押さえられず、Xビジネスでもオンラインショップから「ペチもとペチろー5個セット」を購入。届いたペチもとを手にとっていじりまわしているうちに、ついキャビネットの扉にペチもとを投げつける。・・・くっついた。これをきっかけに、Xビジネス部署内でペチもと兄弟をいじくりまわして大喜利大会が始まることに。

製品はこんな感じ。「ペチもとペチろー5個セット」で税込540円、それと送料120円。


発売元は何を思って彼を世に送り出したのか。曰く「『ペチもとペチろー』は、用途など決められておりません。これから、いろいろなことに挑戦し、得手不得手を見極めながら生まれてきた意味を見出していく所存です。まさに、我々人間同様、成長の過程でいろいろな経験をし、自分の価値を見出していくように。新しい道を切り開きたい。その第1弾がペチろーなんです」とのこと。案外真面目な製品なのである。だがしかし、プレスリリースに「今から使い方を考える製品、正式に販売開始 誰か止めてください」とあるのを筆者は見逃さなかった(笑)。

同社のテスト段階で名刺と共に彼を配りまくった際に、反応として試用者からイチ押しだったのは、ルアーとしてペチもとを使うことだったとのこと。ぷにゃぷにゃした感触のゴムが水中ではひらひらとした動きで魚の目を誘うらしく、実際に「ペチもとルアー」で釣りに行った人が、かなりの釣果を上げたという。そしてこの話が広まり、釣り情報のWebサイトからも問い合わせを受け、とうとう彼の地元の福岡の釣具店でも「ペチもとペチろー」がルアーとして販売されている。

 

3.緊急告知!ペチもと氏来たる!

Xビジネスも企画に参加してレギュラーコーナーを持っている、テレビ番組「ザ・ビジョナリー」。第二回目の放送となる次回、じつはこのペチもと氏が出演するのである。放送予定は7月17日(火)、東京MXTVで19:58~20:27の時間帯となる。彼が登場するのは番組中の「Xビジネスコーナー」である。

ザ・ビジョナリー~異才の花押~
http://the-visionary-project.com/

 

そして緊急でない告知。筆者はXビジネス開発室の部長に「仕事でペチもと氏と釣り行ってきます!」と宣言してきた。次稿で「ペチもとペチろー」との釣行の様子をお送りする予定である。待て次稿!

(あと一回だけ続く)

(依藤 慎司)