※このサイト、あまりに更新頻度低かったので、心を入れ替え、マーケティングに(一応)関係するコラムを、今後は、定期的に投稿して参ります。
【乗り鉄狂騒曲】
私は、いわゆる「乗り鉄」だ。
鉄ちゃん(=鉄道オタク)の中でも、鉄道写真とか、鉄道模型には一切興味がなく、ひたすら、列車に乗る、乗る、乗る。
何故、列車に乗るのか?そこに列車があるから・・・ただそれだけ。
学生の頃や、まだ体力のあった20代、週末は勿論、長期の休みは、とんでもない距離を鉄道で走破した。食事、睡眠も基本、列車内で移動中に取る。週末、長期休暇中は、極論すれば、地上時間(列車を降りている状態の時間)よりも列車移動に占める時間の方がはるかに長いのが常態化していた。
特に、ヨーロッパでは、乗り放題のパス(例:ユーレイルパス)を駆使したりして、スウェーデンからポルトガルへの地球儀レベルの移動、更には、当時(30年以上前)の北アフリカ、東欧、中近東・・・といった、旅行ガイドブック「地球の歩き方」によると「乗らない方が身のためですよ」という列車に乗り続けた。
【ヤバい人の波状攻撃】
スマホどころか、インターネットも無い時代、「TOMAS COOK」という分厚い国際時刻表を解読して、どの列車がどこまで走るのか、頭脳を駆使して、ひたすら知らない列車に乗る・・・が、いつも、行き先を間違い、列車内でスリ、置き引き、追いはぎにあいそうになり、物乞い・ジプシー・自称ガイド・親に捨てられたとされる子供たち、といった濃い人たちからの手厚い?歓迎、果ては、詐欺、宗教勧誘、革命組織へのスカウト等、断るのにも高度な話術が必要な人たちに対するディフェンス・・・・、ある意味、電車に乗っているだけで、一ミリも退屈しない刺激の連続を体験した。それもこれも、たった一人で、知らない外国の、現地の人もよく知らない街(観光地では勿論ない街)で、夜中に列車に乗っているからそうなる。かつ、ちょっと、英語なり、現地語が話せるフリをすると、怪しい街の怪しい人たちは、元気にしつこく私に話しかけてくるので、困ったもんですよね。(退屈だけはしないけど)
まあ、一方、今の日本では、長距離列車では、皆さん、ぐっすり眠れますよね?
新幹線の車内なんか、9割、寝てますよね?
【金くれや、今すぐ金くれや】
モロッコとかエジプトとかポーランド(特に端っこの方)のローカル列車で眠れると思います?まあ、勿論、疲れ過ぎて眠いときは眠りに落ちてしまいますが、そもそも、そうゆう国の列車の席は、コンパートメント(ベンチみたいな席で、3対3で向かい合わせ)が基本なので、まず、向かいの席の人に話しかけられ過ぎて、寝させてくれない、んすよね。んで、間違って、話が盛り上がり、こっちがちょっとはお金もってそうな雰囲気だしたりすると、特にアフリカ、中近東ではあるあるなんですが、「親戚を紹介したい」「俺の友達にあってくれ」とか言って、なんでか、親戚やら、友達やらが、ドカドカ、違う車両から集まってきて、有名芸能人よろしく、次々と列車にいながらにして、表敬訪問を受けるハメに。(そもそも、どうして、親戚とか友達が都合よく同じ列車に大量に乗っているのか意味不明なんですけど)
「親戚が結婚相手を探している。相談にのってくれ(金くれや)」
「こいつの親、生活苦しい。助けてやってくれないか(金くれや)」
(ストレートに)「ちょっと、小銭、余ってたらちょうだい(今すぐ金くれや)」
金、金、金・・・・すごいですね。それ程、30年前、日本人は「ものすごい金持ち」という扱いだった訳です。
(注:この話はあくまで30年前の話。今、これらの国は、そんなことないと思いますよ、念のため)
この夏、久々に日本の「青春18切符」(鈍行乗り放題の切符)で旅してみて、つくづく、日本の列車の快適さ、安全さを噛みしめることができたので、狂った「乗り鉄」だった、あの頃との大きなギャップに気付き、コラムにした次第です。
【日本はまだ大丈夫?】
日本は最近、貧しくなったと言われていても、列車で向かい合わせになった、金持ちそうな外国人に、「金ちょうだい」とは言わないですよね?そんな日本人、さすがに見たことないですよね?
でも、5年後は分からないですよ。
列車で乗り合わせた人とチームを組んで、金持ちそうな国から来たバックパッカーに「こいつの親、不治の病でさあ・・・」って、やる人、出てくるかも・・。
あ、そんな複雑な話、日本人は英語で表現できないか・・。(しっかし、なんで、アフリカのド田舎の人は、そんな複雑なことできたのか、今思えば不思議ですね。あの話術と胆力は、もっと違うことに活かせなかったのかなあ~??そしたら、もっと早く国は経済成長したのにね。日本でオレオレ詐欺とかする人は、そのエネルギーをベンチャー企業の立ち上げとかに出来ないかね??)
ということで本日のコラムの趣旨:
失われた30年を「乗り鉄」視点で振り返り、日本経済の衰退と国際情勢を分析した(かのうような)コラムでした。また、お会いしましょう。
矢野経済研究所 松島
関連資料:
2025 クールジャパンマーケット/オタク市場の徹底研究 ~消費者調査編~
https://www.yano.co.jp/market_reports/C67110800