コスプレは楽しい。ビッグサイトのコミケやコスプレイベントで本格的にコスプレをした人なら、その魅力がわかると思う。イベントでなくとも、お気に入りのアーティストなどが身に着けている服や小物を自分も身に着けたことがある人は、もっと多数いるだろう。

コスプレは自己主張と個性の表現である。また何かへのリスペクトでもある。そんなコスプレを、人生の最後に身にまとうとしたら。。

本項のテーマは、その「人生の最後に身にまとうコスプレ」、死装束(エンディングドレス)ビジネスである。

1.死装束(エンディングドレス)は究極のコスプレ?
2.死装束(エンディングドレス)のビジネスモデルとは
3.株式会社ルーナ「死装束(エンディングドレス)ビジネス、ココがX(エックス)!

1.死装束(エンディングドレス)は究極のコスプレ?

冒頭で触れたように、コスプレは自己主張と個性の表現、リスペクトの具現化である。つまり、その人がどういうことを考えて、どういう生き方をしてきたかを語るといっても過言ではない。考えてみてほしい。人生の最後に港のお別れの儀式、おそらくだれもがいつかは経験する(その場で自分が見られるかどうかはちょっと横に置いておく。そういう話も大好物であるが)そのときに、美しく着飾りたい、自分はこういう人間であったという痕跡を服装で人々の記憶に遺したい、そう考えたとしてもおかしくはないであろう。

古来より、死装束といえば皆知っているアレであったものが、近年は葬儀も「くだけてきて」、遺灰を海にまく散骨層であったり、樹木のそばに遺骨を埋める樹木層であったり、バーチャル仏壇のなかに祀られるなどの事例も多数ある。そのような流れで死装束もコスプレ化してきてもおかしくはないのだ。(納棺時に金損性のアクセサリーや武器は禁止、ということはあるだろうが)

2.死装束(エンディングドレス)のビジネスモデルとは

この死装束(エンディングドレス)のサービスを提供しているのは、アパレルメーカーである株式会社ルーナである。もともと婦人服メーカーであったが、先代の他界との際に、「エンディングドレスをを思いついたとのこと。単なるコスプレでなく、葬儀の専門家から「お作法」を学んだうえで、現在の「死装束(エンディングドレス)」のサービスがあるという。
そのコンセプトは「美しくみおくる、美しくみおくられる」である。死装束としての着物、ドレス、小物などを製作・販売している。

死装束(エンディングドレス)という特殊なジャンルではあるが、ビジネスモデルとしては、一般的なアパレルメーカーと同じ、企画・製造・販売であり、ネット通販によるアパレル小売のモデルでもある。

ルーナの死装束(エンディングドレス)は、その8割が生前の購入者であるという。

3.株式会社ルーナ「死装束(エンディングドレス)ビジネス、ココがX(エックス)!

さもすれば陰鬱なイメージしかない葬儀、死装束の世界において、それを「終活ファッション」「エンディングドレス」と銘打ち、新たなアパレル分野を開拓したことは、よい意味で常識を打破したといえる。この「常識をブチ破る」ビジネスモデルこそ、Xビジネスとして特筆したい点である。

(依藤 慎司)

 

関連リンク:

株式会社ルーナ

2020 おひとりさま市場総覧(フューネラル)

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2019年版 フューネラルビジネスの実態と将来展望