ムー。オカルトファンであれば、もうその言葉だけでワクワクするであろう。かつての心霊ブームやノストラダムスの大予言の頃には世の中をさんざんアオった席巻した、生けるオカルト伝説の本、ムー。もうその存在だけでX(エックス)ビジネス魂がうずうずする。
今回はその「ムー」の正体とビジネスモデルに迫ってみたい。

1.みんな知ってる月刊「ムー」、その魅力に迫る
2.月刊「ムー」のビジネスモデルがコレ
3.月刊「ムー」、ココがX(エックス)!

1.みんな知ってる月刊「ムー」、その魅力に迫る

「ムー」。その名前を聞いただけでワクワクしてくる。してこない人も「あぁ、あのオカルト系のあやしい本ね」と思い浮かべることができるだろう。学研(現在は学研プラスを経てワン・パブリッシング)の「あの本」である。そもそも「ムー」という言葉自体が、あのムー大陸のムーである。
(知らないひとのために。ムー大陸とは、「かつて太平洋の中央部に存在した高度文明の大陸であったが、ノアの大洪水で水没した」と言われている、超古代文明のオカルト話を代表するような存在である)

その名称を戴いた、雑誌「ムー」。改めてその概要を解説すると、

創刊:1979年(昭和54年)
発刊元:学習研究社から創刊、2009年10月~2015年9月まで学研パブリッシング、2020年6月まで学研プラス、以降はワン・パブリッシングから発刊
キャッチコピー:「世界の謎と不思議に挑戦するスーパーミステリーマガジン」

となっている。内容は、超常現象、古代文明、心霊、占い、遺跡など、オカルト系の内容に特化しており、創刊以来マニアの心をくすぐり続ける唯一無二の存在となっている。

2.月刊「ムー」のビジネスモデルがコレ

ビジネスモデルといっても、出版社から発刊されている雑誌なのだから、通常の出版物の収益モデルであると思われるかもしれない。もちろんそうなのであるが、実は紙面以外の「収益モデル」が存在する。それが公式サイト「ムーCLUBhttps://www.yano.co.jp/market_reports/C61108300」と、月額900円のWebマガジンなのである。この有料会員に対して「極秘情報」を提供しているのだ。
紙面のほかに有料会員情報。紙面が900円ほどするのに、さらに課金をするかと思われるが、オカルト情報に飢えた熱心な読者に好評とのことである。

ちなみに「ムー」読者のことを「ムー民」と称する。今は亡き月刊アウトの男性読者を「アウシタン」「アウシターナ」と呼称していた時代の産物なのか。。

3.月刊「ムー」、ココがX(エックス)!

まず、栄枯盛衰の激しい出版業界において、40年ものあいだ存続している雑誌という点が普通に素晴らしい。それがオカルトという特異なジャンルにもかかわらず、という点も評価できる。そして、熱狂的な「ムー民」読者を惹きつけ囲い続けている(ことによって課金サービスまで成立させている)点が、Xビジネスとして評価されるところである。

怪談・心霊ビジネスでぜひとも「ムー」とコラボしたいと考えるXビジネス開発室なのである。


(依藤 慎司)


関連リンク:
ワン・パブリッシング「月刊ムー」
2019 クールジャパンマーケット/オタク市場の徹底研究