同プロジェクトの1シリーズとして、「若者の初体験」あれこれについても、調査した結果をお伝えしています。

本日のテーマは「正社員での勤務」です。

来年の今頃は「(はじめて)正社員として勤務していると思う人」などが、それぞれどの程度なのかを調査、集計、分析しました。

まず回答時点での正社員としての勤務経験の有無は、大よそ半々程度で、男女差や居住地別の差はなく、当然ながら年齢区分別に差が確認できました。

年齢層別では、15-19歳層では勤務経験有りが約1割、20-24歳層で4割、そして25-29歳層、30-34歳層では7割で同水準となっています。
この結果、正社員として勤務しない人が大よそ3割程度存在することが確認できましたが、これは大卒(新卒)卒業者数に対する非就職者数の割合と概ね重なる結果となっています。

また、正社員として働いた経験がない方のうち、今後来年の今頃は正社員として働いているだろうと思う方は全体の5-6%、大学の就活年齢層と重なる20-24歳層が1割超で最も高くなっています。

これに対し、そうだったら良いけど来年の今頃はまだだろうなという方は全体の2割弱、もちろん学生が多くなる15-19歳層で最も高い割合を示しています。

注目したいのは、25-29歳層、30-34歳層にも1割程度そのような方が存在していること。
正社員として働きたいけど、実現が困難という方々です。

この値を低いとみるか、高いとみるかについては議論の余地があるかも知れません。
しかしながら、これだけ労働力不足が問題になっている中、難しいことかも知れませんが、このような意欲ある方を活用できる社会にしていかなければならないのではないでしょうか。

参考までに、もう正社員勤務をやめたという方は全体の15%程度、25-29歳層、30-34歳層の女性が最も割合が高く、ともに4割弱になっています。
女性の活躍の必要性が声高に叫ばれている昨今ですが、実態としてのこの割合の高さには少々驚きを隠せませんでした。

(品川 郁夫)

*本調査結果の詳細についてのお問い合わせは、矢野経済研究所 Xビジネス開発室までお願いします。