性的マイノリティーを自認する人は22.2%!

 「自分を性的マイノリティー・少数派と思うか?」という質問をされた場合、皆さんはどう答えるだろうか?

 あまり自分の性的指向を普段比較したりしないから、多数派・少数派と言われても答えようが無い、という人も多いだろう。

 世間ではLGBTという言葉が定着しつつあるので、「自分が性的マイノリティーである」と考えている人は、すなわち、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーのいずれかに該当する人と一致するのとお思いであろうか?

 「株式会社矢野経済研究所 Xビジネス」が、2020年11月に実施したアンケートにて、17,908人を対象に「あなたの性的指向は多数派か少数派か?」と問うたところ、衝撃的なことが判明した。

 なんと、22.2%の人が自分の性的指向を「マイノリティー・少数派」と回答したのである。その「マイノリティー・少数派」と回答した人に、実際のセクシャリティーを回答してもらったところ、うち64.9%が「ヘテロセクシャル(異性愛者)」と最も多かったのである。(尚、LGBTに該当すると回答した方は、性的指向を「マイノリティー・少数派」と回答した人のうちの10%程度に留まっている。)

 このデータから、まさに性自認、性的指向のバリエーションというのは、極めて多様で、様々な価値観があるのだということが伺える。即ち、異性愛者も同性愛者も、多数派・少数派という認識は、人と比べようがないところがあり、異性愛者にも色々な性指向があり、何が多数派なのかは、はっきり決められない、ということである。

 矢野経済研究所としては、今回、試みとして、LGBTに関して様々な角度から調査分析を行い、実際のLGBTの推定出現率、推定人口等も算出しているが、調査結果の中でも最も大きな驚きの一つが、「性的マイノリティー自認者が20%を超えている」という事実であった。

(松島勝人)

関連資料:

LGBTマーケティングレポート2021 シリーズ1:消費者としてのLGBT分析
https://www.yano.co.jp/market_reports/R62200501

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