テレビの前で、リアルとゲームの“二刀流”を楽しもう!!
7/12(月)から4度目の緊急事態宣言に入りました。それを受けて、東京オリンピックの観客についても事態が急変し、残念ながら東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県の会場は全て無観客開催が決定しました(その後、北海道、福島でも無観客開催に)。
こうなったらテレビの前で楽しみましょう!ということで、7/1(木)のオタ活コラムに続き、「オリンピック」と「オタクコンテンツ」についてアレやコレや考えながら、今回も大会まで密かに盛り上げていきたいと思います。
オタクコンテンツといえば「漫画」「アニメ」のほかに「ゲーム」も外せませんよね。みなさんは、オリンピックをテーマとしたテレビゲームで遊んだことはありますか?
因みにテレビゲームというと、本コラムをアップロードした7月15日は「ファミコンの日」だそうです。1983年7月15日に任天堂から家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」が発売されたことから、この日が「ファミコンの日」になりました。当時のメーカー希望小売価格は14,800円、同時に発売されたゲームソフトは「ドンキーゴング」「ドンキーコングJR.」「ポパイ」の3本でした。
1983年といえば、今から38年前です。当時は小学1年生だったので懐かしく感じますが、よく考えてみると、さらにその38年前は1945年、つまり終戦の年になるわけです。子供だった1983年当時、終戦についてどう考えていたかの記憶は全くないですが、おそらく遠い昔の出来事で、教科書に出てくる歴史上の史実として捉えていたかと思います。
ということは、今の子供たちにとって38年前の「ファミコンの登場」というのは、歴史の教科書に出てくるような大昔のことのように感じるのかもしれません。などと考えると、なんだか恐ろしくなってきました・・・
話を戻しまして、オリンピックの公式ゲームは、現在オリンピック開催に合わせて、ライセンスを取得したゲーム会社から毎回発売されています。今回の「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」においては、(株)セガが独占的に全てのゲーム化権を取得し、開発・販売しています。
現在発売されている東京オリンピックの公式テレビゲームは、PlayStationR4/Nintendo Switch™用ソフト「東京2020オリンピックThe Official Video Game™」(2019年7月発売)と、任天堂のマリオとセガのソニックが共演するNintendo Switch™用ソフト「マリオ&ソニック AT 東京オリンピック™」(2019年11月発売)の2タイトルです。出来るだけ多くの人が楽しめるように、Nintendo SwitchやPlayStationR4でプレイできるマルチプラットフォーム展開がされています。
テレビゲームの他には、アーケード用ゲーム「マリオ&ソニック AT 東京オリンピック™ アーケードゲーム」(2020年1月発売)や、スマホ用ゲームアプリ「東京2020 ソニックオリンピック™」(2020年5月発売)も発売されています。
(株)セガは、東京オリンピックだけでなく、「2008 年の北京(夏季)」「2010 年バンクーバー(冬季)」「2012 年ロンドン(夏季)」「2014 年ソチ(冬季)」「2016 年リオデジャネイロオリンピック」でも公式ゲームを提供してきました。販売数をみると、「マリオ&ソニック AT 北京オリンピック」が約59万本と最も多いです。
上記2008年大会から2016年大会までは、「マリオ&ソニック」シリーズのオリンピックゲームのみがリリースされていましたが、東京2020オリンピック大会は同シリーズに加えて、リアル路線の公式オリンピックゲーム「東京2020オリンピックThe Official Video Game™」も発売されています。同ゲームには、オリンピック競技が以下20種目収録されています。
収録種目 | 競技会場 | |
---|---|---|
1 | 陸上 100m | オリンピックスタジアム |
2 | 陸上 110mハードル | オリンピックスタジアム |
3 | 陸上 走り幅跳び | オリンピックスタジアム |
4 | 陸上 ハンマー投げ | オリンピックスタジアム |
5 | 水泳 100m自由形 | 東京アクアティクスセンター |
6 | 水泳 200m個人メドレー | 東京アクアティクスセンター |
7 | 野球 | 横浜スタジアム |
8 | サッカー | オリンピックスタジアム |
9 | バスケットボール | さいたまスーパーアリーナ |
10 | ビーチバレーボール | 潮風公園 |
11 | ボクシング | オリンピックボクシングセンター |
12 | BMX | 有明アーバンスポーツパーク |
13 | テニス シングルス | 有明テニスの森 |
14 | テニス ダブルス | 有明テニスの森 |
15 | 卓球 シングルス | 東京体育館 |
16 | 卓球 ダブルス | 東京体育館 |
17 | 7人制ラグビー | オリンピックスタジアム |
18 | 柔道 | 日本武道館 |
19 | スポーツクライミング | 有明アーバンスポーツパーク |
20 | 陸上 4×100mリレー | オリンピックスタジアム |
ゲームの主な特徴としては、ユーザーが自分でそっくりのアバターを作り、ゲームに登場させることができるほか、収録競技は全種目オンラインに対応しているため、世界各国のプレーヤーがライバルとなり、最大8人の同時対戦で、お互いに競い合うことができます。
また、オリンピックゲームは開催都市の街並みや競技会場を出来るだけリアルに再現しているのも大きな特徴です。本ゲームでも開会式や陸上競技が行われる「オリンピックスタジアム(新国立競技場)」や、水泳競技の「東京アクアティクスセンター」といった、各競技会場をリアルに再現しています。
ゲーム内には、無料でアップデートできる「トップアスリートに挑戦!」というイベントがあり、実在のアスリートと戦うことができます。開発にあたっては、選手の能力値などを忠実に再現するため、モーションキャプチャーを使って選手の実際の動きを撮影し、動きをリアルに表現したそうです。その際、例えば出場する柔道選手のリクエストに応じて、繰り出す技をその選手が実際に試合でのみ使う技に制限することなども反映しているようです。さらには、選手のキャラクターが競技中に発する声を収録してゲームを盛り上げる演出も行っています。
一方、「マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック™」は、任天堂の「マリオ」とセガの「ソニック」をはじめ、2社を代表するキャラクターが共演するオリンピック公式ビデオゲームです。
「マリオ」と「ソニック」という異なるゲーム会社の異なる看板ゲームキャラクターのコラボはそれだけでワクワクします。このコラボは、元々オリンピックの公式ゲーム関係なしにセガから任天堂に企画提案されたものの、世界観が違うことから一度は成立しなかったようです。
しかし、セガが公式オリンピックゲームのライセンスを獲得したことをきっかけに「オリンピックという特別な舞台であれば、それぞれの異なるゲームやキャラクターの世界観や設定を乗り越えてコラボが成立するのでは」という両社の見解が一致し、開発されることになったとのことです。
今回の「東京2020オリンピック」バージョンは、「東京2020年競技」だけでなく、1964年の東京オリンピックをイメージした、懐かしいドット絵の「東京1964年競技」がプレイ可能なほか、様々なオリンピック競技やミニゲームをプレイしながらストーリーを楽しむ「ストーリーモード」が収録されています。各競技で選択できるキャラクターは以下の通りです。
■東京2020年競技、ドリーム競技(各10選手)
任天堂キャラクター | マリオ、ルイージ、ピーチ、デイジー、クッパ、ワリオ、ワルイージ、ヨッシー、ドンキーコング、クッパJr. |
---|---|
セガキャラクター | ソニック、テイルス、ナックルズ、エミー、Dr.エッグマン、シャドウ、シルバー、メタルソニック、ブレイズ、ベクター |
■東京1964競技(各4選手)
任天堂キャラクター | マリオ、ルイージ、ピーチ、クッパ |
---|---|
セガキャラクター | ソニック、テイルス、ナックルズ、Dr.エッグマン |
収録競技は、以下の通り「東京2020年競技」21競技、「東京1964年競技」10競技、「ドリーム競技」3競技となっています。
東京2020年競技 | 100m、110mハードル、4×100mリレー、やり投、三段跳、円盤投、スポーツクライミング、サーフィン、スケートボード、ボクシング、空手、サッカー、ラグビー、カヌー、水泳、体操床、障害馬術、バドミントン、卓球、フェンシング、アーチェリー |
---|---|
東京1964年競技 | 100m、400mハードル、走幅跳、マラソン、10m高飛込、跳馬、カヌー、柔道、バレーボール、射撃 |
ドリーム競技 | ドリームレーシング、ドリームシューティング、ドリーム空手 |
では、2008年の北京オリンピック以前はどうだったか。最初にゲームとオリンピックを結びつけるきっかけになったのが、1985年6月にコナミ工業㈱(現㈱コナミデジタルエンタテインメント)が発売したファミコン版「ハイパーオリンピック」です。懐かしく記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。筆者も小学生時代にボタンを連打してよく遊びました。
「ハイパーオリンピック」は、1983年10月にアーケード用ゲームとして初めて発売されており、翌年1984年に開催されたロサンゼルスオリンピックをテーマとして、6種目の陸上競技で遊べるものでした。1985年発売のファミコン版「ハイパーオリンピック」は、このアーケード版を移植して4種目(100メートル競走・110メートルハードル・走り幅跳び・走り高跳び)に対応しています。因みに2019年11月に発売された最新版「ハイパースポーツ」は、全7種目(水泳、クレー射撃、跳馬、アーチェリー、三段跳び、重量あげ、棒高跳び)、最大4人で同時プレイができます(PlayStationR4, Nintendo Switch™対応)。
以降、コナミはオリンピック開催に合わせて、1988年9月に「コナミックスポーツ イン ソウル」、1992年7月に「コナミックスポーツ イン バルセロナ」、1996年6月に「ハイパースポーツ イン アトランタ」、1997年2月に「ハイパーオリンピック イン ナガノ」、2000年7月に「がんばれ!ニッポン!オリンピック2000」、2002年1月に「ハイパースポーツ2002ウィンター」を発売。他の企業からは㈱カプコンの「CAPCOMバルセロナ’92」や㈱ココナッツジャパンエンターテイメントの「炎の15種目アトランタオリンピック」などが発売されています。
2000年開催のシドニーオリンピックからは、公式ライセンスを得たゲームのみが開催地をタイトルに盛り込めるようになり、2000年開催のシドニーオリンピックでは、㈱カプコンが「シドニー2000」を発売、2004年開催のアテネオリンピックでは、㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメントが「ATHENS 2004」を発売しています。
2016年に「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」が大ヒットしたのを機に、最近ではレトロゲームへの注目度も増しています。サイバーガジェットが販売するゲームコンソール「レトロフリーク」は、ファミリーコンピュータをはじめ、スーパーファミコン、PCエンジン、メガドライブなど、1台で11種類ものレトロゲーム機用ソフトに対応しているため、今でも「ハイパーオリンピック」が楽しめます。
最新ソフトだけでなく、懐かしのレトロゲームも遊びながら、来週開催の東京オリンピックを楽しんでみてはいかがでしょうか。
■オリンピックゲーム一覧
オリンピック | ゲームタイトル | プラットフォーム | 発売年月 | 国内販売数 |
---|---|---|---|---|
ロサンゼルス (1984年) |
ハイパーオリンピック | ファミリーコンピュータ | 1985/06/01 | ― |
ソウル (1988年) |
コナミックスポーツ イン ソウル | ファミリーコンピュータ | 1988/09/01 | ― |
バルセロナ (1992年) |
CAPCOMバルセロナ’92 | ファミリーコンピュータ | 1992/06/01 | ― |
コナミックスポーツ イン バルセロナ | ゲームボーイ | 1992/07/01 | ― | |
アトランタ (1996年) |
ハイパースポーツ イン アトランタ | プレイステーション | 1996/06/01 | ― |
炎の15種目アトランタオリンピック | プレイステーション | 1996/09/01 | ― | |
長野 (1998年) |
ハイパーオリンピック イン ナガノ | プレイステーション | 1997/12/01 | ― |
ニンテンドー64 | 1997/12/01 | ― | ||
シドニー (2000年) |
がんばれ!ニッポン!オリンピック2000 | プレイステーション | 2000/07/01 | ― |
ニンテンドー64 | 2000/07/01 | ― | ||
ゲームボーイカラー | 2000/07/01 | ― | ||
プレイステーション2 | 2000/08/01 | ― | ||
ドリームキャスト | 2000/08/01 | ― | ||
シドニー2000 | プレイステーション | 2000/10/01 | ― | |
ドリームキャスト | 2000/10/01 | ― | ||
ソルトレイクシティ (2002) |
ハイパースポーツ2002ウィンター | プレイステーション2 | 2002/01/01 | ― |
ニンテンドーゲームキューブ | 2002/01/01 | ― | ||
ゲームボーイアドバンス | 2002/01/01 | ― | ||
エックスボックス | 2002/02/01 | ― | ||
アテネ (2004年) |
THENS 2004 | プレイステーション2 | 2004/07/01 | ― |
北京 (2008年) |
マリオ&ソニック AT 北京オリンピック | Wii | 2007/11/01 | 約59万本 |
ニンテンドーDS | 2008/01/01 | 約38万本 | ||
バンクーバー (2010年) |
マリオ&ソニック AT バンクーバーオリンピック | Wii | 2009/11/01 | 約23万本 |
ニンテンドーDS | 2009/11/01 | 約25万本 | ||
ロンドン (2012年) |
マリオ&ソニック AT ロンドンオリンピック | Wii | 2011/12/01 | 約21万本 |
ニンテンドー3DS | 2012/03/01 | 約23万本 | ||
ソチ (2014年) |
マリオ&ソニック AT ソチオリンピック | Wii U | 2013/12/01 | ― |
リオデジャネイロ (2016年) |
マリオ&ソニック AT リオオリンピック | ニンテンドー3DS | 2016/02/01 | 約15万本 |
Wii U | 2016/06/01 | ― | ||
東京 (2021年) |
東京2020オリンピックThe Official Video Game | プレイステーション4 | 2019/07/01 | ― |
Nintendo Switch | 2019/07/01 | ― | ||
マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック | Nintendo Switch | 2019/11/01 | 約37万本 |
関連資料:
2020 クールジャパンマーケット/オタク市場の徹底研究
https://www.yano.co.jp/market_reports/C62108100
関連リンク:
東京2020オリンピック競技大会公式ウェブサイト
https://olympics.com/tokyo-2020/ja/
東京2020オリンピックThe Official Video Game™
https://www.olympicvideogames.com/tokyo2020/jp/
マリオ&ソニック AT 東京2020オリンピック™
https://topics.nintendo.co.jp/article/6ca66305-e670-11e9-b641-063b7ac45a6d
株式会社セガ
https://sega.jp/
コナミホールディングス株式会社
https://www.konami.com/ja/