「自分の心に話しかける」オタク!
皆さん、テレビ東京系列で好評のドラマ「孤独のグルメ」ご存知ですか?松重豊さん主演のドラマなんですが、基本、ドラマの大半が、どっかの飲食店に入って、ひたすら一人で飯を食って、味の感想を心の中で言い続ける・・・それだけで構成されるドラマ。
グルメレポート番組のようなチャラさは無く、しみじみ味の所見をブツブツ言いながら(声には出さず)、ひたすら食べて、食べて、食べまくる・・・。それで、ドラマは終わる訳です。食べて→感想→食べて→感想の繰り返し!人によっては、一体、このドラマ、どこが面白いんだ?ということになるかもですが、私を含め、「オタク」には、よ~く分かるんすよね、この面白さが。
だって、「オタク」はですね、生身の人間との直接の対話より、物に話しかけたり、自分の心と対話したり、ブツブツ感想を言っていたりすることの方がはるかに多いのですから・・・。毎日、毎日、毎日・・・・その日常生活がある種「孤独のグルメ」な訳です。
「孤独のグルメ」という言葉のニュアンスを踏襲するなら、「孤独の模型鉄道」、「孤独の地下アイドル追っかけ」「孤独のモデルガンコレクション」「孤独のゲームチート画像編集」・・・・・なんす。この場合、「孤独」というのは、何か悪いニュアンスではなく(例えば寂しい、とか虚しい・・・とかではなく)、単に、生身の人間と会話していないことを「孤独」と表現しているだけで、寂しくも、虚しくもなく、どちらかというと充実しているんすよね。「孤独のグルメ」の主人公も、一人でメシ食って毎回もの凄く満足してますよね!
ちょっと話は変わりますが、私は、小中学生時代、ひたすら「牛乳ビンのフタ」を集めておりました。今では、スーパーでも学校の給食でも、牛乳と言えば紙パックで、フタ等存在しないのですが、昔は、牛乳と言えば、全部ビンなんですよね。かつ、自宅に毎日配達されるものでもありまして、飲み終わったあと、空き瓶を箱に戻しておけば、毎日、新しいのが配達されるときに、空き瓶回収してくれるんす。
私の自宅には、森永乳業のビンの牛乳が毎日供給され、学校に行けば、保証牛乳のビン牛乳が毎日。で、飲むときに、必ず、紙のフタをピロンっと剥がすんですよね。
このフタがすごく味わい深いデザインでして、フタなので、当然、形は円、フタの表はメーカーの名前、製造工場の住所がプリントされていて、中央には、その月の日付の番号(1日に作られた牛乳なら「1」、30日になら「30」が印刷されております。メーカーによっては賞味期限の日付。)、そして裏は、無地。まるでバッチですよね。
森永乳業なら、当時は、朱色を基調としたデザイン、保証牛乳でしたら、青色を基調と、各メーカー、各様の独自の色味もありまして、これまた、楽しいんですよね。
で、私は、毎日、家に届けられる牛乳のフタ、学校の給食の牛乳のフタを大事に保存する訳です。そうすると、森永乳業の「森永200」のフタが日付入り「1」~「31」まで、31種類、学校の「保証牛乳」も同様に、31種類のフタが集まる訳ですね。うおお、面白い。
勿論、自宅や学校でゲットできる牛乳フタで満足できなくなった私は、コレクションの旅へと出る訳です。具体的には、スーパーや、近所の牛乳販売店に頻繁に通い、様々な種類のビン牛乳を購入し、場合によりはゴミ箱を漁って落ちているフタを集めまくるんす。
サツラク、四つ葉、明治、雪印、小岩井乳業、グリコ、フルカワ、雄勝・・・どんどん、違うメーカーの牛乳フタを収集、更に同じメーカーでも「フルーツ牛乳」「低脂肪牛乳」「コーヒー牛乳」・・・等々、バリエーション毎に違う牛乳フタ、しかも、中央の「日付」が違うもの・・・を、どんどん、どんどん、集めます。
更に、ヤクルトのような乳酸菌飲料(北海道ではカツゲン)やプリン、ヨーグルトの類までもが、当時は瓶で販売されていたものもあって、そこにはまたフタがあったので、乳酸菌系、プリン系、ヨーグルト系も集める、集める・・。
いつしか、私の部屋は、牛乳フタコレクションで、床も見えない程、ぎっしり牛乳フタが・・。
ネットも無い時代でしたが、あまりの牛乳フタ好きが高じて、主要牛乳メーカー各社に手紙を書きまくり、「牛乳フタを集めているので送って欲しい」と書いたら、私が子供だったこともあって、面白いことに、各メーカーともに「フタを集めてくれてありがとう」みたいな、手紙を添えて、かなりの種類の真っさらなフタを送ってきて頂き、フタの枚数は、それまでの数千枚から、一気に数万枚へ肥大しました。(5000枚毎にみかんの段ボール箱で管理)。メーカーから送られてきたフタは、中央の日付が刻印されてないものが中心なので、これまた、レアなフタということで、自分で自分に自慢しておりました。(尚、このコレクションは、家族以外の誰にも話しをせず、他人に自慢をしておりません)
そこから、毎日が「孤独のグルメ」ならぬ「孤独の牛乳フタコレクション」となりまして、牛乳フタをネタに、毎日、長時間、心の声と対話します。
今日は「サツラク3.6牛乳」、日付「8」を眺める・・。サツラクのカタカナ表記が、助っ人外人のようで心地いい、実にいい、「8」の背番号が、クロマティ(サツラク)の後を打つ、4番、原辰徳である・・・。実にいい。(全部、私の心の声)
今週の「ザ・ベストテン」(心の声)、って久米宏のように叫んだあと、「さあ楽しみですね~」(黒柳徹子の声)、今週の第3位っ「小岩井ストロベリー牛乳!日付15」、デーデデッデデーン・・・。そのフタを取り出し、「いや~、初登場おめでとうございます~。ストロベリー味で、初のベストテン入りです~(同:黒柳徹子)。って、永遠に、心の声同士で遊ぶ訳です。
どうです?頭オカシイですか~?でも、オタク(特にコレクション系の)は、こんな感じですよね?