毎日、毎日、オミクロン、オミクロン、オミクロンで、ギャーギャー、ギャーギャー、うるさい、うるさい、うるさい~~~、と思う今日この頃、皆様、如何お過ごしでしょうか?

「PCRの試薬が足りんだと?ふざけるな、受けたくても受けられねーじゃね~か」とか言っているコメンテーターとか、元気の良いおっさん、おばはんに、ひとこと言いたい・・「別にPCRなぞ受けなきゃいいだろがっ。」・・・。(PCRは、がっちり発症している人、高齢者にのみどうぞ・・鼻水だけの人には・・・勿論ノーサンキューで)

くうっ。そんで、夜、店、締まっているので、筆者は、昨今、昔の名作とか読んだりしてるんす。直近では、名作、ヨハンナ・スピリ著「Heidi(ハイジ)」(高畑勲、宮崎駿らが作ったあのカルピス劇場アニメ「アルプスの少女ハイジ」でおなじみですね。)を精読してます。

そんで原作を精読すると、いくつか、面白い発見がございました。

1.ロッテンマイヤーさんはババアではなかった!?
ハイジが、アルムの森から、クララの遊び相手として連れていかれた、フランクフルトのゼーゼマン家のお屋敷にて、さんざん厳しい躾でハイジを虐めぬいた、あのクソババアキャラ「ロッテンマイヤーさん」ですが、オンジ(ハイジのお爺さん)と同い年くらいと思いきや、原作では「Fraulein (aの上には点点/ウムラウトってやつ・・)  Rottenmeier」と呼ばれており、これは、本来、20代半ば以下の未婚女性(=お嬢さん)への呼称です。「フロイライン」は、英語ではmissに近い概念。この方、召使を指揮する執事という設定で、単に「未婚者」という意味で使われていた、という説もありますが、まあ、どうでしょう、「ロッテンマイヤー嬢」という翻訳もみられることから、アニメの方がちょっとキャラを誇張していて、原作のイメージより老けさせて、ババア感を演出しただけなのかもですね。
尚、ロッテンマイヤーさんは、原作(=2部作)のうち、1部作目(フランクフルトのお屋敷でのお話中心)にしか出てこないので、本当は、オンジと最後まで対面してないんすけどね。アニメでは、ロッテンマイヤーさんは、フランクフルトからアルムの森に帰ったハイジを訪ねるクララのお供でやってきて、調子に乗って、ハイジやクララにお屋敷と同じ態度で、ギャーギャー上から目線で大騒ぎして、しまいにはオンジがブチ切れて「子供を信じてやりたいようにさせなさい」とか説教されちゃう訳です。そんでなんか改心して、シュンとなって、ちょっといい人になって、しまいにゃ、ロッテンマイヤーさんとオンジ、あれ?なんかいい感じになってんじゃね?カップル成立すんじゃね?とすら思えるように・・。(あれは、高畑勲の創作だったんすね・・)原作通りの年齢だったら、ロッテンマイヤー嬢(20代半ば)とオンジ(60超?)の年の差は、パパ活レベル・・かと。ロッテンマイヤーさんは、宗教、作法に厳格(=修道女?)だっただけの、マジ「お嬢さん」、ウブな乙女なのかも?です。


2.クララは「病人クララ」ときっつい表現でディスられまくり?
あと、原作見て、驚くのが、クララの呼ばれ方。なんか、いつも「kranke Klara(病気のクララ、または患者のクララ)」という表現なんすよね。なんの病気かしらないですが、(アニメでは足が悪くて車椅子・・・という設定に見えますが)、とにかく「病気のクララ」と、(本人を前にしてダイレクトには言わないものの)、周りの人が言ってるんすよね。物語の進行役というか、状況説明の地の文、医者、ゼーゼマン、ハイジ、みんな「クランケ クララ (病気・・または患者のクララ)」って。ひどっ。まあ、児童文学なので、わかりやすさ重視なんですかね。


3.ハイジは最後まで「女の子」として扱われず「ガキンチョ(幼児)」扱い
もう一つ余談ですが、南ドイツやスイス独特の訛りみたいなんですが、原作では、名前(固有名詞)に冠詞がついてるんすよね。英語でいうと、The Heidi、The Peter・・・みたいに。そんで、ドイツ語には、冠詞が3種類(男性名詞用、女性名詞用、中性名詞用)あって、普通は固有名詞には冠詞が付かないところ、南方訛りでは、いちいち、どんな名前にもDer、Die、Dasが付くわけです。
ペーターやお爺さんは男なので、Der(男性名詞用の冠詞)が付き、クララやロッテンマイヤーは女性なのでDie(女性名詞用の冠詞)が付きます。で、ハイジなのですが、ハイジだけはDas(中性名詞用の冠詞)呼ばわり。つまり、「女の子」というより、「幼児」(性は意識しない年頃)として扱われてます。ん?ハイジってそんな「幼児」だっけ?と思い返してみれば、なんと、初登場時は5歳!だったようですね。小学校低学年くらいと思ってましたが、マジ、幼児でしたね。そんで、物語は、その後、4~5年経過してゆくんですが、ハイジは10歳になっても、Das Heidi (幼児のハイジ/ ガキンチョ ハイジ)と呼ばれ続け、女の子扱いは最後までされてません。Peterは最初からDer Peterと当初(9歳頃)から男の子扱いでしたが・・。
成長しても、幼児ハイジは、Die Heidi(女の子ハイジ)にならなかったみたいです。10歳でも幼児扱いしてますと、学校で体育の授業とかあっても、うかうかしていると、教室で男児と一緒に着替えを、させられちゃいそうですね・・・。

4.セントバーナード犬「ヨーゼフ」のせいで、スイスでアニメは放映禁止
あと、最後に、有名な余談ですが、アニメ「アルプスの少女ハイジ」は、現地、スイスでは放送禁止になってます。アニメに出てくるセントバーナード犬「ヨーゼフ」は、原作にはないキャラクターでして、「ステレオタイプのセントバーナード犬とか登場させおって、スイスに変なイメージを持たれたら困るじゃねえか」ということで、スイスが怒ったそうです~。原作では、一切、犬は登場しません。


(注:今回は、私がただ勝手に解釈しているだけなので、物語の真実は、この領域のオタクに質問することを推奨しま~す。)

松島勝人

関連資料:

2021 クールジャパンマーケット/オタク市場の徹底研究
https://www.yano.co.jp/market_reports/C63111100

関連リンク: