市場概要
2021年度のアナログ(非電源系)ゲーム(定番・クラシックゲーム、ユーロゲーム、トレーディングカードゲームの3市場合算値)市場規模は国内出荷金額ベースで、前年度比46.8%増の908億4,000万円となった。定番・クラシックゲーム市場とユーロゲーム市場が縮小した一方で、トレーディングカードゲーム市場は前年度59.0%増と、人気のあるトレーディングカードゲームが牽引し、市場全体を大幅に押し上げるかたちとなった。

調査目的:アナログ(非電源系)ゲームは、デジタル(電源系)ゲームと比べると同じゲームでもマイナーな市場であるが、近年はゲームジャンルが多岐にわたり、プレイヤー数も増加傾向にある。加えて、単に遊びとしてのツールだけでなく、教育・知育・研修・リハビリなどの用途としても注目度が高まっている。さらにコロナ禍においては自宅で過ごす時間の増加に伴い、家族とのコミュニケーションツールとしての需要も拡大した。
本資料ではメーカー、流通などのベンダー調査によってアナログ(非電源系)ゲーム市場の現状や今後の可能性を分析するほか、多種多様なゲーム自体にもフォーカスし、定番から注目のアナログ(非電源系)ゲームを多角的に分析、検証することで、ゲーム自体の特徴や魅力を解説している。

 

注目トピック
「ポケモンカードゲーム」人気の再燃がトレーディングカードゲーム市場の成長を牽引

コンピュータゲームシリーズ「ポケットモンスター」を題材としたトレーディングカードゲーム「ポケモンカードゲーム」の人気が2018年頃から再燃している。主な理由としては、2018年8月より発売された「スタートデッキ※」が、500円(税抜)で購入できる値ごろ感とスマートフォンゲーム「ポケモンGO」の普及を背景に幅広い層に広まったことによる。これにより、対戦でよく使用されるトレーディングカードの価格が上昇、さらに、コロナ禍でリアルな対戦がしづらくなったことから、コレクションとしての需要も大幅に高まった。加えて人気のあるYouTuber(ユーチューバー)を活用したプロモーション活動も奏功した。
また、2018年9月以降、従前に流通していた古いトレーディングカードが公式大会で使えないようにルール改定が行われ、新規ユーザー層が参入しやすい環境となったことも人気拡大に貢献した。
※スタートデッキとはすぐにゲームを始められるように、あらかじめ構成されたカードセットをさす
 

将来展望
2022年度のアナログ(非電源系)ゲーム(定番・クラシックゲーム、ユーロゲーム、トレーディングカードゲームの3市場合算値)市場規模は国内出荷金額ベースで、前年度比26.6%増の1,150億円を見込む。

2022年度もトレーディングカードゲーム市場で「ポケモンカードゲーム」が牽引するかたちで人気が継続していることに加え、相次ぐ新規タイトルの発売開始や異業種からの参入もみられるため、市場規模は拡大傾向とみる。

調査対象:矢野経済研究所で定義する「アナログ(非電源系)ゲーム市場」のうち、本資料では「~ボードゲーム・カードゲーム編~」として、①定番・クラシックゲーム市場、②ユーロゲーム(ドイツゲーム)市場、③トレーディングカードゲーム市場の 3 分野を扱う。その他分野についての分類は「Ⅰ章 アナログ(非電源系)ゲーム市場全体の動向」内で解説している。
調査方法:関連事業者への面接取材、アンケート調査、電話調査、文献調査、弊社独自の資料等により調査を実施
調査期間:2022年11月~2023年2月

関連資料:

2023 アナログ(非電源系)ゲーム市場総覧 ~ボードゲーム、カードゲーム編~
https://www.yano.co.jp/market_reports/C64123900

関連リンク: