いま盛りなり、お一人様ビジネス!

一人カラオケ、一人焼肉、果ては一人ウェディングに各種のオタク趣味まで。「お一人様」を極めた「エクストリームユーザー」が、オタらしい、もとい新しい市場を創っている。あらゆるB to C向け産業を「お一人様」の視点で斬っていき、「お一人様ビジネス」の実態を捉えることが本稿の目的である。

 

「お一人様」の実態

そもそも「お一人様ビジネス」のサービスを享受しているのは、どんな人なのだろうか。語感からすれば、寂しい独身者の「ぼっち」な様子を想像するのだが、実態はもっと細分化されている。
若い世代の単身者層が増加しているようにも思うが、実際には、死別・離別に伴う高齢者の単身者が増加しているのだ。

国勢調査によると、平成27年10月時点での日本の総世帯数は5344万8685世帯である。その内訳のひとつ「一般世帯数」を世帯の家族類型別にみると、

「単独世帯」(世帯人員が1人の世帯)は1841万7922世帯(一般世帯の34.6%)となっている。
前回調査の平成22年時点と比較すると、「単独世帯」が9.7%増(「うち65歳以上の単独世帯」は23.7%増)となっており、単独世帯が一般世帯に占める割合は32.4%から34.6%に上昇している。この傾向は、2017年(平成29年)以降も当面の間変わらない人口動態であろう。
また、親と「同居している」者は平成27年の時点で4275万1006人で、平成22年時と比べ減少している。総人口(1億2709万4745人)に占める親との同居・非同居別の者の割合をみると,親と「同居している」者は総人口の33.8%となり,平成12年の40.0%から一貫して低下している。一方、親と「同居していない」者は66.2%となり、12年の60.0%から一貫して上昇している。

今後の、そして現在の日本社会においては、若い世代に加えて中高年の「お一人様」が主要ターゲットとなってくる。いわゆる「シニア層」がそれに該当する。言葉のイメージからすれば「お一人様」消費と縁遠い存在とも思えるが、現在のシニア層は30年前にバブル景気(1986年から1991年)を体感してきた世代である。「お金を遣ったいろいろな楽しみ方」を享受してきた彼らは、人生を楽しむことを忘れてはいないのである。浪費から節約へと意識が時代とともに移り変わっても、シニア世代が形を変えて「お一人様ビジネス」市場へ台頭していくことになるだろう。

 

結婚適齢期以上の未婚化・単身化によるお一人様化

シニア世代の「お一人様化」のほか、やはり大きな「お一人様層」を成すのは、本来結婚適齢期にある未婚の男女である。さらに近年の離婚率の上昇がそこに拍車をかける。世代を問わず全体的な単身世帯の増加は、必然的に「ひとりで過ごす時間が多くなっている」ことを明示している。つまり、寂しいヒト「お一人様」市場のターゲットは、世代を問わず、いっぱいいるのである。

 

企業にとっては、これまでと同じような「全体包含的なファミリー層向け」の商品やサービスを提供するのみでは、「お一人様化」していく消費者の実態と合わなくなっていくおそれがある。


次稿より、お一人様ビジネスの具体的な市場とサービスを考察していく。